リチウム資源の今後

充電電池の原料リチウム:供給に不安、地熱発電所で採取する新技術(WIRED VISION
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/news/20090205/1012000/


リチウムは最も軽い金属元素であり、イオン化傾向はすこぶる高く、酸化電位の適当さ、およびアルカリ金属中で最も取り扱いやすい単体金属とあって、二次電池に多用されています。
まとまった鉱床を作らず、海水中にわずかに溶け込んだものを利用するのは低濃度すぎて不利で、普通は塩湖から採取します。
塩湖では塩化ナトリウムおよびホウ酸塩は溶解度が小さくて初期に結晶化して系から抜けますから、塩水の方には多種の金属イオンが濃縮されます。汲み上げですから取るのも楽。
これ以上電極材料としてはうってつけの元素も無いんですが、政治的な問題で、供給不安の可能性があります。
これ、チリからのルートが潰れるとやばいよ、って話です。


熱水からも取れるよって研究は30年ぐらい前から行われています。
日本でも九州で検討されたことがあり、BCSJ に報告されています。
アルミニウムイオンを足して pH を上げると水酸化アルミが沈殿しますが、この沈殿にリチウムが吸着され、40ppm 内外の低濃度でも回収率高く沈殿させることができるんだそうです。
ただし、カルシウムとケイ酸イオンがメチャクチャ妨害するので、実用に持っていくにはブレークスルーが3つも4つも必要。


今回のネタは逆浸透みたいです。
材料がもつかな。
高温の熱水で、しかも温度下げればバリバリに沈殿物は落ちるし。
共沈殿がダメなら、イオン交換、逆浸透、キレーションのいずれかという選択なのは確かなのです。
読んだところ、まだまだ先の話です。


リチウム、大事に使おうね、という話でした。


私はリチウムをバリバリ使う研究を昔からしてますが、回収してもペイできませんからすべて捨ててます。ごめんね。