山で一番優れた服装

ついでに書いてしまいますが、表題案件について。


ズボンに必要な条件としては

  1. 通気性がある
  2. 水を吸いづらく、速乾性がある
  3. 伸び縮みし、かつ、繊維に適当な腰がある
  4. 肌、もしくは下着との摩擦抵抗が少ない
  5. 必要に応じて、アンダーウェアを間に入れられるゆとりがある
  6. 裾が絞ってあり、周囲に引っ掛からない
  7. 丈夫で、岩角で引っ掛けても破けない

というのがあります。
一番ダメなのはキツキツのジーンズです。
重く、きついと足を上げるときに多大なエネルギーを必要とします。
濡れると自分の体温を奪い、死ぬほど重量が増します。
ジーンズ穿いて山行くのは罰ゲームと同じ。
この間、学生に「ジーンズだけはやめろ」って言ったにもかかわらずきっついのを穿いてきて、山登りの途中でしんどすぎて吐いたって話を書きました。
登山用の、綿のズボンやチノパンもおすすめしません。濡れると乾かず、めちゃくちゃ重くなります。
カラカラに乾いているときは悪くないんですけど。


では、なにがベストかと申しますと、私は夏山においては


寅壱ロングニッカ
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がベストではないかと思ってます。
夏はこれ一枚で用が足ります。涼しく、かつ適度な保温性もあります。
ゆったりしているズボンほど、すっ転がっても怪我しないんです。
なんといっても足を上げるのに抵抗を感じないのがいい。
冬はこの下に毛のズボン下を入れ、さらに寒いときはその上からゴアテックスのレインを穿きます*1
鳶職がニッカボッカを好んで穿くのは、訳があるんです。


上は、下から順に

  1. 化繊のシャツ
  2. 毛の長袖シャツ
  3. フリース

にしています。これで寒いならセーターを入れ、それでもダメならフリースを脱いでダウンを着ます。
フリースは風をよく通すので、風が出たらヤッケかレインウェアを着ます。


ちなみにパンツはトランクスが好きです。
ボクサーパンツとかブリーフとか、ナニの自由度 (degree of freedom: DOF) が低下し、非常に辛いです。
息子は自由にさせておく主義です。


どこまでも重ねられ、どこまでも脱げる。これが大事です。
防寒対策は、もちろん熱伝導率の一番小さいのは空気ですから、空気を多く貯められるというのが一番重要です。
山では歩き回りますから、これに、「かいた汗の蒸発潜熱で体温を奪わせない」という要素が必要になります。
綿はセルロースで多くの水酸基を分子上に有し、水との親和性が高いので、山で着る服の素材としては使えません。
綿製品は車に積んでおいて、温泉に入って着替えた後にしましょう。


これで、私がいつも寅壱ロングニッカを穿いているわけがおわかりいただけたでしょうか?
さあ、みんなでいますぐニッカボッカを買いにいきましょう!

*1:ホントに寒いときは、二重の毛のズボンにズボン下を穿いちゃいますけど