ミクログラフィア

昨日の種は、ハナスベリヒユという、スベリヒユの仲間の種です。
スベリヒユの種の奇妙さは、すでにロバート・フックの「ミクログラフィア」(1665)に取り上げられているぐらい由緒正しくて。
折り紙付きの「へんなたね」なのです。
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この本、読んだことのない人にはただの顕微鏡観察日記かと思われがちなんですが、とんでもない!
極めて鋭い観察力、絵で表現する才能と努力、広く深い専門性、正しい思考と理論の筋道、うがった考察、どれを取ってもすばらしいものです。
すべての自然科学者におすすめしたいですね。
日本語訳ですと、板倉/永田訳の本が仮説社から出ています。
私はこの本をマグリットさんから頂いたんですが、じっくり読みました。ごちです。
頂き物なんですが、座右の書の一つでもあります。

ミクログラフィア図版集―微小世界図説

ミクログラフィア図版集―微小世界図説


たとえば、ほぼ完成した結晶の面角一定の法則は、この本に記述があってびっくりします。
一般には、1669年にステノが発表したと思われていますが、これを読む限りフックが先かな。
ここで、軸立てした水晶の完璧な絵が描けてれば、たぶんこの業績はフックのものでした。
そんなこんなで、ブラウン運動やら幾何光学やら、とにかく幅が広くてツボをついた観察と考察をするのです。
すげえよマジで。
フックは、努力家かつ天才だったのでしょう。


これで、読みやすくわかりやすい文章が書ければパーフェクトよね。