てづか

シュマリ(1) (手塚治虫漫画全集)

シュマリ(1) (手塚治虫漫画全集)


後期の手塚マンガには、時代の流れにうまく乗り切れなかった頑固者がたまに出てきます。
ハザマクロオもそうですし、シュマリもそうでしょう。
情に厚く、乱暴でがさつで粗忽で、そして、不器用です。
いつの間にか私も歳を重ね、しょっぱい思いをするほど、手塚の描いた頑固者の気持ちに共感できるようになりました。


「世の中はいつも変わっていくから、頑固者だけが悲しい思いをする」と、道民が歌ったのは間違いではありません。


器用な人間には、愚か者扱いされますけれども。


私が頭に思い描くのは、開拓前の蝦夷の原野。
自然しかなかった、「試される大地」のホントウの原形。


私は森の中から産まれた一匹の山猫。
深い深い森に還っていくのが、お似合いなのでしょう。