意外とたいしたことないもんだ

9pm ただいま帰宅。

本日の行程


先週行った亜鉛鉱山に再チャレンジ。今回は頑張るぞ。
しかし、出発時、雨ザーザー。風も強い。
まあ、坑道の中なら雨が降ろうと雪が降ろうと問題はなかろうと考え、出発。
強風に車をあおられながら現地到着。
まず、地主の所に行き、すすめられるままお茶をごちそうになる。
たまたま来客がきており、その方からこのへんの鉱山跡の話を聞く。
林業関係者なので、とても山に詳しい。ラッキー。新情報調達だ。
最近砂防ダムを作った道のそばに切り通しを作り、そのそばらしい。
切り通しに脈が出てると助かるなあ。
ただし、今回は前回の続き。初志貫徹。


朝からまったりしているわけにも行かないので、慌てて出発。
2回目だと転石に気を取られずズンズン行ける。
薮の薄い所もわかるので、難無く30分で到着。
雨は相変わらず降っている。雪でないだけましか。
坑口前で砂金掘り用の胴長に着替え、ライトを出し、真っ暗な坑道に潜る。
まず最初に行ける所まで行ってみる。
前回は坑木がわりと残っていて、酸欠が怖かったのだが、今回は
酸素濃度計を借りてきた。問題無しで一番奥まで行く。
あれよあれよという間に着いてしまう。前回の所からわずかであった。
採掘跡もほとんどないので、こりゃ鉱脈下部を探鉱した坑道だな。
晶洞性の石英脈(最大幅50cm)があるが、金属鉱物はほとんど伴わない。
水晶が群生しているのが圧巻。大きいので5cmぐらい。
水晶にテリがないので、叩かずに見るだけ。
2cm程度のものなら透明でつやつやしているのはあるけど。


前回閃亜鉛鉱脈を見つけたのは、もっと坑口側。
戻って、前回の所でガマ開け。
前回はほとんど見るだけだったので、今回は折り畳み椅子を出して、じっくり脈を観察。
鉱脈走行は2種。そのうち一方が有望そう。
結晶の荒い石英脈部分をたがねで剥ぎ落とす。
坑道の天盤に近い。掘り上がりは苦手なんだよね。腕が疲れる。石が落ちる。目に石の粉が入る。
ガマがばかばか開く。笑っちゃうぐらい。先ほどの所より、こちらの方が水晶がきれい。
石英脈中央より、上盤際の方がガマが開きやすい。
ガマの奥行きは20cmにも満たないが、長さ1mの所に4ケ所開いた。
いずれも脈に沿った地下水で風化し、閃亜鉛鉱はぼろぼろのくずくず。無念。
水晶はいっぱいある。ガマも開く。黄鉄鉱、黄銅鉱も見える。
でも、金属鉱物の結晶は酸化が激しい。まともに水晶に乗ってくるのは
黄鉄鉱ぐらいか。やはり強いぞ。黄鉄鉱。
亜鉛鉱結晶は、ポロポロ落ちてしまう。あれれ。
しかし、ガマをほじっていると1.5cm大の閃亜鉛鉱が転がり出してくると、やはり楽しい。
劈開片だか結晶だか区別付かないようなもんだけど。


2時間ガマをほじほじしていたら、こんもりと水晶の山ができた。
粘土付きの水晶の群晶は閃亜鉛鉱が付いている可能性があるので、選んで持ち帰る*1
前回はもっときれいな閃亜鉛鉱が採れたんだけどナ。
叩くなら初球狙いで、ということなのだろうか。


坑道から出て、おそらくあるであろう、上のレベルの坑口を探す。
あれれ、ないぞ。みんな埋まったかな。
雨で濡れた落ち葉の上は滑って登りづらい。
もうちょっと下に選鉱した跡があって、その状況を見るに、
選鉱は手選かザル選で、そこそこの量があるので、どこかに採掘坑があるはずだ。
しばらく探すが、やはりない。
すべて自然に戻ってしまったらしい。まあそれもいいか。


写真を撮るのを忘れたので、もう一度潜り、あたふた撮ってくる。
真っ暗なのでうまく撮れない。ピントがあわない。


胴長を着たまま、下山。やはり落ち葉で滑るので転がる。


前回の庄屋さんの家に上がり込んで、羊羹とお茶で談笑。
庄屋さんの息子は考古が仕事らしく、オレのような人間を見ると息子とだぶるようだ。
「うちのせがれも、こうやっていろいろなところを回って、人様に不作法で迷惑かけてるんだろう」とのこと。
え?やっぱりオレって不作法?
そうだろうな。今回も何も手みやげもなかったし。
まあ、庄屋さんは楽しそうなので良しとするか。
「また来い」と言われる。もちろんまた来るよ。また羊羹だしてね。
まだ、このあたりには探したい場所がいくつもある。


ちんたら運転して帰る。
胴長でしばらく動いていたので、脱いでも足の自由があまりきかない。
クラッチを切るにも難儀する。すっぱり蹴り込んですっぱり離す。
回転数は合わせてるけど、シンクロに負担がかかりそうだな。
途中、車の掃除と昼寝のお定まりコース。おやすみなさい。


今回も水晶の大漁のみが目立った。あまり持ってこなかったが。
ガマ開けの愉しみも満喫できたし、まあいいや(いつものパターン)。


次週は仕事で出張するので、出張先で頑張って掘ろう。
何しに出張に行ってるんだか。
ペグマタイトのガマほじりがいいなあ。



小学館文庫「誰も行けない温泉 命からがら」(大原利雄)を読む。
表紙の火口湖(硫黄コロイドで真っ白)の中に、ガスマスクで入浴する写真に惹かれた。


命からがら―誰も行けない温泉 (小学館文庫)

命からがら―誰も行けない温泉 (小学館文庫)


そこそこ楽しかった。行った場所もいくつか。
評価45点。頭を休めるのには良い。
「誰も行けない」ってレベルじゃないけど。
いや、山に御縁のない人なら難しいのかな。
道のない所は、一般の人なら入らない場所なのだろう。


しかし著者、ガスマスクのカートリッジは交換してるんでしょうね?

*1:帰って洗ってみたら付いていなかった。無念。