■
朝早くから、鉱山跡探し。鉱床はスカルン性。
硫化鉱が炭酸塩鉱物に埋まったものが多い。
chalcopyrite の自形っぽいのが calcite に埋まっているのを拾った。
あとで酸で溶かしてみることにしよう。
アメーバみたいな形じゃないといいけど。
谷が深くて坑口に下りるのが怖い。
崖を下りていたら、つかんでいた木がいきなり抜けて落っこちる。
落っこちながら別の手で他の木をつかんで間一髪。
9時から、新規に探索する地点の情報聞き込み。
最初に出会った人(道ばたで井戸端会議をしていた)がいい人だった。ラッキー。
4人、紹介してもらい、芋づる式に家を訪ねる。
石を保存している人が集落に2人いた。
6人目で、有力情報入手。
だいたいの場所はわかった。
その人はオレのことを非常に気に入ったらしく、ばかでかい水晶をくれた。
3時間聞き込んで、やっと場所に関するおぼろげな情報がわかった。
一升瓶でも積んでくればよかったね。
12時から、下見がてら、情報の入手できた所を見に行ってみる。
車で行けるところまで行き、沢を上がる。
沢は雪解け増水で、流木でせき止められた天然ダムが多い。ビーバーの巣のよう。
鉄砲水が出たら逃げられない、V字の谷。
長靴で来たが、すべる。何度も転ぶ。
地下足袋+わらじにするべきであった。
1時間上がると、沢の至る所にクマの足跡が付いているところにでた。
草むらに座り込んだ跡、木に付いたマーキング。まさしくクマの巣だ。
出会わなかったが、クマはちょっとイヤだなあ。
転石にはペグマタイトのかけらが多い。
露頭にも見える。
やたら粗粒で、長石の結晶は40cmぐらいのも多い。
長石はピンク。石英は灰色。
3時間かけて上がって、スノーブリッジが出てくる。
最初のものは下をくぐった。
2番目のものは、下をくぐるには怖い。高巻きは不可能。
時間も時間なので、ここで撤退。
撤退地点の河原に、オレをあざ笑うかのように太さ20cmある水晶の頭が転がっていた。
車まで下りてきて、まだ日が出ているので、付近の沸石産地の下見。
場所は確定できず。
真っ赤に色づいた heulandite ? を見つけた。
温泉に入り、泥を落として、しばらくドライブ。
聞き込みを入れたおじいさんから電話連絡が来る。
重要な情報を思い出したのこと。
車を停めて、しばらく話を聞くが、方言かつ電話口なので、よくわからない。
「今度、結婚式でそちら(オレのすんでいるところ)に行くが、そのときに話してやる」ということに。
いい人だ。
地元聞き込みは、資料に乏しいときは必須だ。できることなら何時間もかける方が、無駄足の可能性が減るのでよい。
ただし、思い違いなどで、よけい無駄足を踏まされることもあるので注意したい。
山菜やキノコ採りと間違えられるトラブルも、地元の人の名前を出すだけで回避できる。
声をかけるなら断然男。女性は石ころのような非生産的なものにはあまり興味がないようだ。
延々ドライブして、家に帰る。