純愛路線

もう時効だろうから、忘れないうちに書いてしまおう。


この間、水晶の双晶が出た産地では、ガマ粘土に埋まった水晶とトッコが合わせて土嚢袋数杯出て来た。
実家の庭で、それをオヤジと姪(中学生)と洗った。
この産地の水晶はホントに両錐が多い。
しかし、やはりバチっと決まった両錐水晶は少ない。
どこかしら欠けていたり、片方が不完全だったり、濁っていたりする。


一番いいものは、姪が粘土から出した4cm大のものだった。
やや細長い水晶で、完璧な結晶面。
美しい水晶だ。
もちろん所有権はオレにあるので、姪に「よこせ」と言ったのだが、どうしても渡さない。
まあ、いいや。それはお前にやろう、ということになった。


オレは、電話で石の好きな中学生の男の子を呼び出した。
おそらく、彼はこれほど多種多様の形状をした水晶を見たことはないだろう。
これを見せたら、喜んでもらえると思った。
彼が顔を見せた瞬間、姪が


「これ、あげる」


と、ティッシュにくるんだ水晶を差し出した。


そ う い う こ と で す か。