ダイアモンド


写真はビッカース硬度計の圧子。
先端に対面との角が 136度になるように部分的に正四角錐に研磨されたダイアモンドが、鉄のベースに埋め込まれている。
これを一定荷重で試料に押し付け、できたくぼみの対角線の長さを計測し、定義式からビッカース硬度を求める。
かなり質のよい単結晶のダイアモンドが使ってあるようで、四角錐の窓の部分から中がきれいに覗ける。角の丸まった八面体結晶を用い、4つの (111) 面を鈍角に整形しているようだ。


職場で、ビッカース硬度計を捨てるとき、貰って帰ってきた。
現在では、家の標本箱のモース硬度計10のところに入っているが、出番がなかなかない。ダイアモンドと硬度を比較するほど硬い鉱物は、オレのよく出かける山には少ない。
ダイアモンドの指輪を欲しがるカミさんも、これについては興味がないらしい。


ダイアモンドは炭素−炭素結合の結合様式から考えると、有機化合物に近い。
事実、疎水性を示し、水にはまったく濡れない。


ちょっと前に Science 誌にダイアモンド骨格の炭化水素縮合多環化合物が掲載されていたが、ナノスケールでは高い硬度を示すのかな?