セロ弾きのゴーシュ


triclinic, P-1 (#2), Z = 2

ゴーシュはおっかさんのねづみを下におろしてそれから弓をとって何とかラプソディとかいうものをごうごうがあがあ弾きました。するとおっかさんのねずみはいかにも心配さうにその音の工合をきいてゐましたがたうたうこらえ切れなくなったふうで
「もう沢山です。どうか出してやってください。」と云ひました。


ゴーシュ!


ちょっと構造をいじるとこうなる。



monoclinic, P21/a, Z = 4


はりはりだ!


結晶の外形(晶癖:habit)を、分子構造から予想するのは不可能。
パッキングすらなかなか。
まだまだ科学は自然をほとんど理解できていない。
はじめてオレが作った化合物なのに、若い渡り鳥が渡りの時期を誰に聞くともなく知っているかのように、当たり前のように分子が寄り集まって、結晶を作る。
エネルギー的に安定なところに落ちているというもっともらしい説明は付くが、結晶化というのは本当に不思議な現象だ。