実家に戻り、引っ越しの荷物を回収してくる。
かなりの量の服を実家に放り込んでおいたので、これがないと日常生活がつらかった。
つぶれた薬屋の棚に並んでいた試薬を引き取ってきたものがあったので、これもついでに回収。
こんなものが民家にあっちゃまずいでしょう。
濃塩酸3リットルは使えるかも。


オヤジは最後の雪山講習会講師で不在。
しばらく待っていたら、夜に帰ってきた。
膝の術後が良くないようで、下りがきついらしい。
彼の持っている技術をだいたい門下生に教えてきたそうだ。
だいたいこういうのはその五分の一も伝わらないものなのだが、まあいいか。


いつか人は老いて、現役から退かなければならないときが来る。
山屋が山からいなくなるのは、山で死んだときと、歳を取って山を下りるときだ。
オヤジは幸いにも後者だった。
オヤジの友人はかなりの割合が山で死んでしまったので、彼が死なずにここまで生きてこられたのは、奇跡に近い。


まあ、あとはのんびりと水晶掘りでもしていてもらいましょうかね。


しばらく実家で遊んで、ちんたらドライブして家に帰る。