風邪のせいか、それとも寝違えたのか、首が痛くて難儀。
困ったな。
返事をするにも、首を回さずに体を向けなければならないので、大変。


書類書きと論文書き。
その合間に機器分析。
回折計の順番が回ってこないー。
回折実験予定の結晶が四つ。
おーい。あいてるならまわしてくれーい。


学生に、スパルタ式ガラス細工講習をする。
まずは精神論から。
ガラス管の切り方、キノシタブルーバーナーの使用法からスタート。
焼き玉(誘導切り)、同径管接合を経て、「T」字管へ。
このあたりから、飲み込みの早さ遅さが出てくる。
習うより慣れろなのだが、慣れるスピードが人によって違う。


学生1の作品。肉が溜まりすぎてダメ。使用中に歪みで割れる可能性大。
加熱が足りないので、吹いても肉だまりが取れないのだろう。


学生2の作品。同上。



学生3の作品。穴があいているので問題外。


学生4の作品。細くなっているのでそこで折れそう。


学生5の作品。複雑怪奇。炎がでかすぎるんだろうな。


ちなみにオレが学生さんの前で作ったのは、こんなの。

基本に忠実。
自分のものだけはピントをきっちり合わせてみる。


学生さんは何日でオレの OK が獲得できるだろうか。


中国人ぽすどくと実験の話をする。
まずは学位論文を見せてもらうが、中国語は難しい。
化合物名が中国語なのが悪夢のよう。
彼は「オレの実験室で実験がしたい」という。
またか。
彼にはどこに何があるかわからないし、分析機器も使ったことの無いものばかりだし、自分のことは自分でやるってのが彼に可能だとは思えない。
人に教えを乞うて学んで行ければいいのだが、「お前(つまりオレのこと)が原料を作れば、オイラがそれをもとにポリマーを作る。そしたら論文に名前を載せてやる(英語)」ときた。


ふざけるな。


なんだよ。最初から他力本願なのかよ。学びにきたわけじゃないのか。
ちと腹が立ったので、「自分でできるすべてのことは自分でやれ。オレのことはほっといてくれ」と言ったが、なかなかそういうわけにもいかないんだよねえ。
この分野、机の上で書いた化学式を実際にやるのが、言うほど楽ではないってことを実感してもらおう。


高分子の畑の人の中には、たまに、「モノマーはすべて供給されるもの」と考えている人がいる。
そういう人はそういう研究をして欲しい。
原料上げを人に依頼するには、それなりのやり方がある。
IP 電話で何時間もしゃべっている時間を使って学生さんから実験手法を学んで、自分でモノマーから作ったほうがいいんじゃないかと思うのだが。
研究の効率を考えたら「餅は餅屋」というのもわかるんだが、それではいつまでたってもモノマーは作れんぞ。
「日本人の研究はオリジナリティーが低い」と昔はよく欧米に馬鹿にされたが、オレのいる分野に関してはそれはあまり感じられない。
日本人は(あまり金にならなくても)オリジナリティーの高い、緻密な基礎研究で少しずつ未知の領域を開拓している。
オリジナリティーについて疑問を感じるのは中国のやり方のほうだ。