スパルタ式教育法2

今日もガラス細工講習。
今日はガラス管を加熱する炎の大きさの調節の大事さと、加熱の適当さ、炎から出すタイミング取りの練習。
実はこれらが一番大切で、一番難しい。
その前に、ガラス管をきれいにして、きれいにするのが重要なのだが、これは日を改めて。
一人は飲み込みが極端に早い。
それ以外は普通かな。


彼らのうち、三人がオレの下について実験することになった。
これで、オレを含め計6人がオレの実験室で実験をする。
研究を楽しめるといいなあ。


彼らの一人が「何をしたらいいですかね?」と聞いてきた。


オレ「とりあえず、1mの高さから床に落としても割れない「T」字管を作れるようになれ。」


学生「そんなの無理ですって。かならず割れます。」


オレ「そんなはずはない。じゃあオレがやってやるから見てろ。」


5本作った「T」字管を床の上(コンクリートリノリウム張り)に落としてみせる。


(幸運なことに)割れなかった。


オレ「じゃあ、そういうことで。」


学生「・・・・。」


学生に実験指導。
反応追跡と、文献調査法。
とにかく正確な判断をするための判断材料の収集と、考えて作業仮説を立てる練習から入ろう。


夜遅くになって、学生の散らかしたガラス管をかき集めて細工していると、中国人ぽすどくが、


「お前は何でもできるな。日本ではみんなそうなのか?」と言ってきた。


オレ「オレはそんなことはない。しかし、昔はみんなそうだったらしい。大昔は教授がフラスコを吹いて作っていたんだ。オレは古いタイプの化学者だ。」


中国人ぽすどく「今はそんなことをしなくてもいい。」


オレ「オレもそう思う。しかし自分でできるのは便利だぞ。自分でしなきゃわからないことがたくさんあるんだ。」


中国人ぽすどく「そうだな。オレは日本にいる間にお前にたくさん学ばなければならないことがある。中国に帰ったら学生にそう教えてやる*1。」


オレ「そうだな。それがいい。もともと日本の化学は中国とオランダとドイツから輸入されたものだ。知ってるか?」


中国人ぽすどく「いや、知らん。本当か?」


オレ「本当だ。古い恩があるので実験技術なら教えてやる。それを国に持って帰れ。アイデアは自分で考えろ。」


中国人ぽすどく「わかった」



そうこなくちゃ。

*1:彼は国では日本で言う「助教授」にあたる。