朝から首が痛い。でもだいぶよくなった。
風邪もかなりいい感じ。
実験台の掃除をして、ヒビの入ったフラスコのヒビを補修していたら、あっという間に時間が過ぎた。


昼になったら中国人女性Mが昼飯のお誘いに来た。
久しぶりに二人でご飯。半年ぶりぐらいかな*1
中国のお国事情などをよく聞く。ふむふむ。
ついでといっては何だが、彼女の家のそばでの砂金採集法や、希元素鉱物*2の採掘手法などを教えてもらう。
大変ためになった。


中国人ぽすどくの話になる。
中国人の研究者はとにかくアメリカに渡りたいらしい。そこが天国に見えるんだそうだ。
で、その夢がかなわないと、しょうがなく日本に来るのだが、それはあくまでも腰掛けであって、夢はあくまでもアメリカなんだとのこと。
だから、日本で「何かを勉強したい」と中国人が言っても、それは口だけで、ホントはそうする気はさらさらないんだそうだ。
ずいぶんはっきりした物言いだ。
自分(つまり彼女)も同じ中国人だろうに。


オレ「なぜそんなにアメリカにこだわるんだい?(日本語)」


彼女「わからない。でもみんなそう思っている(日本語)」


日本の研究環境がいいとはお世辞にも言えないが、アメリカに渡ると天国に変化するとは考えづらい。
行ってみなければ正確な状況は把握できないが。

♪だけどそいつがアレ*3を持ってたら オレは差別しない Oh, つきあいたい♪


まあとにかく、中国でもいわゆる「部落差別」みたいのが強いのと、アメリカへの憧憬が強いことだけはわかった。
中国では、研究費が出ると、そのうち半分ぐらいを自分のポケットマネーにできるんだそうだ。
彼の言動のヘンな部分の謎が氷解した。
しかしそれを日本ですることはできないぞ。


帰り際にドクダミが多数咲いていたので、


「これ、中国にもあるのかな?漢方では「十薬」って言うよね」と聞いてみた。
彼女「どうなんだろう?私のいたところでは見たこと無いな。」


ちょっと摘んで臭いを嗅がせる。日本では悪臭に分類される系統の臭い。


彼女「独特のにおいがするけど、悪くないな」


臭いの好みにもお国柄があるのかもしれない。そりゃそうか。


仕事に戻り、ダイアフラムポンプの修理。
ヒューズが無い。もらいに行くが、やっぱりない。
普通の管ヒューズより小さいんだよな。
ドラフトを掃除。ホースでバシャバシャ水をかける。
合板なのでめくれそうだな。
購入したクランプを使ってみるが、大変使い勝手が悪い。最低。
やはり安物買いの銭失いだったか。Fine のにしておけばよかった。反省。


中国人ぽすどくがオレから離れないでずっとくっついている。そして質問攻め。
実験にならない。
まずは文献を読んで欲しい。総説がいくつも出ているんだから。
とっかかりなので、まあいいか。


学生に、長年使っていたミクロ蒸留装置を貸したら、割られた。
形あるものはいつかは壊れるとはいえ、悲しい。
学生の慎重さをよく観察してから、使用する器具を選ばせるようにしよう。
それでもまあ、熱心だからいいか。


紅茶を買ってきて、ハリオ*4のポットで淹れて、飲んでみる。
Pyrex *5と相性が悪いので、ハリオって苦手なんだよね*6
ディンブラより、キーモン*7にするかな。

*1:http://d.hatena.ne.jp/doublet/20051219

*2:希土類と言ったほうがいいか

*3:オレにとっての「アレ」とは、学究に対する情熱のこと。

*4:ハリオガラス。戦後まもなくシバタが開発した硬質一級ガラス。食器と理化学機器によく使用される純国産開発ガラス。ハリオの名前は、ガラスの古名である「玻璃」の「王」たるべく付けられたようだ(http://d.hatena.ne.jp/doublet/20050923#p4 の書籍より)。国内で開発された他の硬質ガラスでは VIDREX(ビードレックス)も同じ。ガラスの古語である「びいどろ」(ラテン語では vitro)から取られている。

*5:米コーニング社が開発した硼珪酸ガラス。熱衝撃に強いことから、Pyro(炎)+ ex と名づけられたようだ。日本でライセンスを持っているのは岩城。

*6:それは柴田のせいではない。ハリオガラスは日本独自のブレンドなので、あまりいじめるのはよくないことかもしれない。

*7:祁門。代表的な中国紅茶。香りが強くて発酵度が高い。