修士の学生の実験をみる。
彼の話を聞いてもよくわからないので、彼と一緒に実験をしてみる。
リサイクル型液クロで異性体分離をしてみるが、ほとんど溶けない。
よくまあこんな溶けない条件で分離する気になるよなあ。
根性論だよねえ。分離法を検討最適化したいとダメだ。
彼は、異性体分離といえば液クロしか思い浮かばないのかな。
こいつは大量に作って、クーゲル、分別再結晶、異性体濃度が上がったところでクロマト分取かマクロシーディングだな。
明日からスケールアップの手法を教えていこう。


学部の学生さんにガラス細工法を聞かれるが、なかなか人の意見を聞かない学生さんなので難儀する。
いや、それなら最初から聞かなければいいのに。
ノウハウを持っている人が近くにいるとき、いつでも教えてもらえると思っているのは学生さんの悪い癖だ。
情報はタダではないぞ。


中国人ぽすどくが初めて実験をするので、少しずつ指導。
彼は、反応をする際に、すべてフラスコにいきなり放り込もうとした。
「ゆっくり混ぜたほうがいいんじゃない?」とアドバイスするが、「これが中国のやり方だ」と一言。
「いや、滴下ロートを使ったほうがいい」と、無理やり使わせる。
しかし、滴下ロートに基質と溶媒を放り込んで、その溶媒が基質と速やかに反応するものだった*1ので、滴下ロートの中で反応して、滴下ロートが持てないぐらい熱くなっている*2
うーむ。指導するのは難しい。
放っておいてもいいのだけど、そうするといつまでも質問攻めだし、かといって指示しても聞かないんだよなあ。
いや、それなら最初から聞かなければいいのに(二回目)。


学生さんと一緒に、実験台にアルゴンのラインを三本引っ張る。
バブラー、コック、「T」字管のいずれもオレがガラス細工したもの。
ゆとりができたら、ステンレス配管にしたいなあ。


壊れたヒートガンをかき集めて、学生さんにまともに動作するのを組み上げさせる。
三台できた。よしよし。
その間に、某研究室に依頼された合成をする。
学生さんのうち三人は根性があり、わりと人の意見を取り入れ、しかも自分でそれなりに考えている。
この三人が自分の部下なのがすごくうれしい。
正直大変助かる。
一人は数日前まで就職希望だったのだが、「実験をするのが楽しいので、大学院に行きたい」と言い出した。
まだ研究にまで達してないんだけど、まあいいか。


学部学生に練習実験をやらせてあげなくちゃ。
練習とはいえ、二段先から完全に新規合成反応。新規化合物の嵐。
実験手法を学ばせながら、みんなで研究する喜びを感じさせてあげられるといいな。

*1:オレがその溶媒を使えと指示したわけではないのだが。

*2:よく、溶媒の選択を間違える人がいる。ひどい人では、臭素の溶媒にアセトンを使って1フロアをパニックにおとしいれたぽすどくがいた。