朝からガラス細工。
リービッヒ冷却管作り。
一月かけてじっくり練習しよう。
学生の実験指導。
お題は「分別再結晶」。
4成分ある異性体のうち、一番結晶性のいいものをヘキサンから落とす。
もう一回、混合溶媒からこいつを落とす。
ついで、残り3成分をすべて結晶化させる。
二番目と三番目に結晶性の良い成分のうち、三番目が目的物。
これをエタノールから結晶化させる。
マクロシーディングのテクニックは身につけるには相当の経験が必要。
じっくりやってもらいましょう。
もっとも、身に付いた頃には卒業なんだけどね。


ディスカッション用のパワポ作成。
写真も貼り付けよう。
今まで見込みがないと思っていた結晶化は、最後の最後にでかい結晶が育った。
でかいのは結晶構造解析には不適だが、小さいのは大丈夫っぽい。
液体窒素温度で回折実験かな。
もう一つも、八面体結晶ができてるけど、小さすぎる。
意外といろいろ噛むんだな。
もうちょっと分子設計しよう。
が、文献を調べてみると、恐ろしいことに類縁体の報告例が皆無。
こんな簡単な化合物なのにね。


ディスカッション。
異分野の研究は参考になるが、これは窓が開いているときだけのようだ。
開かない人は、何を聞いても自分にフィードバックすることはできない。
自戒しよう。
今から研究領域を狭めるのは、自分の首を絞めることになりそうだから。
タダでさえ専門馬鹿なのに、これ以上狭くしたら大変。


実験実験。
当講座にはグローブボックスがないので、借りにいく。
この化合物は空気中に出すと燃えちゃう(!)ので、グローブボックスは不可欠。
たまーに使うだけだから、そばに無くてもいいや。
でも、正直欲しいな。
毎回、頭を下げに行くのは面倒だ。
そろそろ自分の回折実験の出番が回ってきそうだ。
もう5サンプルたまった。
一つは結晶溶媒が抜けてしまったが。


修士の学生さんが、学部の学生さんを見ている。
この実験は、この間オレが修士の学生さんに教えたものだ。
まだまだ修行が必要だな。
実験化学、特に有機合成化学は経験を必要とする分野なので、徒弟関係が強くなる。
危ない実験がある場合はなおさら。
一人で本を読んで実験を始めることはかなり難しい。相当量の試行錯誤を積むなら別だが、効率悪いし。
短時間で習得したいなら、力量のある人に弟子入りするのが不可欠。
ただし、人に頭を下げるのが大の苦手という人もいる。ここが難しい。