今まで、行きたくても行けなかった鉱山跡を捜索しました。
最近できたトンネルを抜けると、トンネル工事の廃石積み場があり、まずはここを見ます。
このあたりの鉱兆は強く、いたるところに鉱化作用が確認できます。
トンネルの廃石には、硬石膏が混じっているものの、たいしたものはあまり見当たらないのが残念です。
一つ、お土産に拾って、次に行きます。


次は、銅を掘った鉱山跡。
ズリで小さな沢を埋めており、このズリの鉱害防止対策がほんのわずかだけされていました。

黄銅鉱、黄鉄鉱、カッパーグリーンが確認できますが、やはり採集するにはちょっと不適ですね。
珪化は非常に弱く、水晶はまったくありません。
林道の脇に出ている露頭を車から眺めてみても、鉱兆には出会えません。


次は、「蝋石」を掘った鉱山跡。
蝋石とは言っても密雑なケイ酸塩混合物で、鉱物種の特定は肉眼では難しいです。
古い情報では、デュモルチェライトが報告されています。
百村のような青いものを期待して、とことこ歩いて、探してみました。
なぜか、林道に多数のハンミョウが飛び交っています。すごい数。きれい。

こんなに多数のハンミョウを見たことはありません。
ハンミョウはすばやく飛翔するので、虻のようです。
面白いのでザックを下ろして眺めてました。

すると、林道を歩いていたクモに集団で襲い掛かり、端から食べ始めました。

奴らはきれいに見えてもかなり獰猛な肉食昆虫です。
この10倍増えたら人間を襲うかもしれません。

↑「林道のギャング」の不敵な笑みです。


林道に沿って、「蝋石」の鉱脈が見られます。
これを眺めながら、転石をチェックします。
一部には硫化鉱物も見られます。黄鉄鉱が多いのですが、不明の黒色針状結晶集合体もあります。
なんでしょう?輝安鉱かな?
林道は藪で覆われているので、だんだん藪漕ぎになります。
沢沿いに歩いていると、坑道を見つけました。

が、これは落ちる可能性が高いので入坑を控えます。
入り口付近には、かなりの量の無色透明針状結晶が生えています。
なめてみると独特の味がします。ボウショウっぽいですね。
鉱物名だと、ミラビル石です。
おそらく硫化鉱物が分解してできた硫酸イオンが作ったものでしょう。
砕けるのを覚悟で、一つ丁寧に包んで持ち帰ります。
しばらく藪を漕ぐと、いきなり放置自動車、しかもバスが出てきました。

この林道を運転してきたのでしょう。すごいドラテク
センチ単位で切り返しができないと、ここまでバスを入れられないと思います。
このバスは林業関係者が飯場に使っていたようです。
中をのぞいてみると、古い古いエ○本が転がっています。
時代を感じさせます。せっかくなのでちょっと読んでみます(ぉぃ)。


藪を探し回り、文献に記載されていた鉱床はすべて確認することができました。
が、デュモルチェライトは、青いものは見つかりませんでした。
青黒いシミで、それっぽいものを2つほどサンプリングして帰ります。


残念ながら大収穫には至りませんでしたが、気になる場所をチェックできてよかったです。