野望の王国

で、メノウ乳鉢用のメノウを調達するために、メノウを掘りに行きました。
場所は言わずもがななんですが、有名なメノウ産地です。
ここは、古い文献を読むと十数脈、細かい脈は無数にあるメノウの一大産地なのです。
とりあえず、近所のワラビ採りに来た爺さんに話を付けます。
山は新緑が目にまぶしく、ミツマタの花、ヤマブキの花がきれいです。

そして、マムシグサ

命名の由来の三番目、花が鎌首をもたげているという線が一番濃厚です。


露天掘りの跡はあるんですが、脈をかなりしつこく押しているので、脈がくぼんでしまい、私の力では押すことができません。
それでも、もこもこもっこりなメノウはいっぱいあります。

美的なもっこリは以前採集しているので、今回はモコモコはパスして、とにかく塊を探します。
しかし、ここのメノウは脈こそ大きい(それでも最大幅20cm内外)のですが、なかなかいいものがありません。
夾雑物があると乳鉢のディンプル(くぼみ)になって、コンタミの原因になるので、そういうものが無いものを探しているのですが、10cmの完璧なメノウ塊はここにはなさそうです。
この脈は上のレベルで坑道掘りをしているので、潜ってみます。
坑道の中は、上から落ちてきたメノウの破片が坑内水で洗われ、半透明なメノウの破片の絨毯になっています。

なかなかきれいです。

坑内に梯子を持ち込んで、垂直脈の引立をチェックしていたら、落っこちました。
めがねは吹っ飛び、ひじとひざと腕をしたたか打ちつけ、しばらく転がっていました。
うーん。いたい。


坑内の壁に不思議なものを見つけました。
蛾が壁に張り付いたまま死んでいるのですが、死骸にヘンなカビが生えています。

この間の特別展では、こういうものはほとんどが「冬虫夏草*1」なんだという話でした。
宿主に対する特異性が高く、面白いです。
風の谷のナウシカで、王蟲の骸に生えるのも虫草なんでしょうか?
坑道の中は湿度が高く、一年を通して気温の変化が少ないので、よくこういうヘンな菌を見つけます。
が、すべて種がわかりません。誰か教えてください。


落っこちてけちが付いたので、温泉に入って、蕎麦を食べて、帰って来ました。
とりあえずここには私の野望を達成するメノウはなさそうです。
脈メノウは大きな塊を確保するのが難しそうです。
次は、火山岩の隙間に入ったブロックメノウを探しに行きます。
山形か、新潟かな。

*1:正確には、コウモリガに生えるのをそう言って、それ以外のは虫草って言うんだそうです。私は昆虫はぜんぜんわからないので、勘弁してください。