探鉱、探鉱、また探鉱。
ちゃきちゃき書き物して、しばらく見直して、仕事終わり。
某社の探鉱データを複写していただいたので、金属鉱脈を探しに行ってきました。
しばらく高速を運転し、その後延々と下道をドライブして、目的地の登り口に着きます。
最初の目的地は金銀の鉱山です。
が、林道はチェーンが張ってあって、中に入ることができません。
あれれ、20年前は入れたのに・・・
傍の店のおじさんに聞くと、鉱業権が無くなって土地もすべて他の会社に移ったので、閉めてしまったとのこと。
林道も荒れて落石だらけらしいので、歩きます。
天気は薄曇ですが、とても気持ちのいい山林です。
こんなに立派なブナ林はそうそうお目にかかれません。
しばらく歩くと、道の真ん中に何匹もオオツチハンミョウがいました。
こいつらはカンタリジン*1という毒を持っていて、いじめると水脹れになるので写真だけ撮ります。
しかし、腹がでかくて不恰好ですよね。よたよた歩いてるし。
ハンミョウの優雅さとは対照的です。
http://f.hatena.ne.jp/doublet/20060919201321
しばらく歩くと、大切坑の横を通り、脈を押した坑道にたどり着きました。
坑道は荒れ荒れ、昔は事務所があって大量のボーリングコアが木箱に入っていましたが、すべて無くなりました。
トロッコのレールだけ、かろうじて残っています。
さびさびです。
何本も沢を横切る石英脈があり、一本しばらく追いかけてみます。
が、昨日の大雨で沢は増水、落ち葉はつるつる、傾斜はきつきつ、しかも石英脈は陶器のようなもので、不毛脈に近いのです。
200m追いかけて、やる気をなくして戻りました。
昔、事務所があった辺りは、鉱石がけっこう落ちています。
ボサっぽいのと、葉片状石英の隙間に銀鉱物が来ることがあるので、いくつか割ってみます。
めぼしいものを2つほど拾って、道無き山から下ります。
なぜか、沢の横の水溜りで、モリアオガエルがいっぱいくつろいでいました。
そのやる気の無いオレンジ色の目でわかります。
http://f.hatena.ne.jp/doublet/20070630233925
おまえらそうやって勝ち組気取りでいるけど、あとで痛い目見るんだからな。
それにしてもこの森は本当にきれい。
山頭火の気分です。
わけいっても
わけいっても
青い山
山頭火
この森は、有史以来ほとんど切られたことがありません。
オオミズアオもいれば、ツキノワグマもモリアオガエルもいる、とても健康的な原生林です。
ずっとこのままにしておきたいです。
下山すると、店のおじさんおばさんが、「20人ぐらいのパーティーに会わなかったか?」と聞いてきます。
別のルートから山に上がり、わたしと同じ沢沿いの道を下ってくる予定らしいのですが、まだ下りてこないんだそうです。
20人なら集団遭難ってことはないでしょうが、それだけ人がいると、必ず無理して体調を崩す人が出るんですよね。
前の日ほとんど寝て無かったりとか。
しばらく談笑して、バスの運ちゃんと遊びながら車に戻ります。
次の場所は、某社が探鉱で見つけて、つまみ食い程度に試掘した銅鉛亜鉛脈です。
が、現場に行ってみると、川がひどく増水していて、渡れそうにありません。
川向こうは明らかに試掘した跡があります。
川はホワイトウォーター、水量も速度もあり、ウェーダーを着ても流されそうです。
まだ山開きしたてで、今泳ぐのはちょっと勘弁。
川のこっちにも脈が続いているっぽいのですが、露出が悪くてよくわかりません。
さりげなく鉱化・変質しているようで、どろどろの灰色粘土に黄鉄鉱が混じっているのぐらいはわかりますけど。
しょうがないので、諦めて煙草でも吸おうかとザックを下ろして、隣にあるキノコに目が行きました。
あ!サナギタケ!*2
わりと数の多い冬虫夏草らしいのですが、初めて見ました。
わしも、みるのは、はじめてじゃ〜。
空振りが多くて寂しいですが、そのかわりいろいろ見ることができました。
最後にちょっと離れた林道を通ります。
林道の崖をチェックしていると、石英脈があるのが運転していて見えます。
ガマだ!
中には水晶がいっぱい生えています。
そのあたりをうろうろ歩き回って、母岩は流紋岩で、100mぐらいの範囲が著しい珪化を受けているということがわかりました。
とにかく無数のガマがあり、その中に水晶が見えているのです。
ただし、サイズは大きくても3cm。
雰囲気的にはこんな感じで、イガイガの水晶が岩の隙間にいっぱいあります。
喜んで拾って帰ります。
↑こういう水晶です。
ヌケガラあり、イガイガあり、先細りあり、三角頭ありで面白いです。
夜景を見て、温泉に入り、泥を落とします。
やっぱり温泉がないとね。しかもタダだし。
手作りソーセージを食べて、ミスドで飲茶をして、帰ってきました。
←なんなのこの道路標識。