二個の巣

新しいカメラが家にやってきました。
ニコノス I型、白ビニールレザータイプです。

ニコノスは、フランスから技術移植しニコンで作るようになった防水レンズ交換カメラで、これは一番古い型です。
ボディは軽金属鋳造、プラスチック真空含浸という念の入れよう。
シール部は基本的にバイトン O リングです。
沢を愛するオヤジが大昔に購入し、ずっと使っていたものだったのですが、フィルム巻上げクランクが折れ、ニコンにも部品在庫が無いらしく、私の家に傷物で嫁いでまいりました。
直せるか自信がないです。
パーツサイズがわかれば、モックアップで自分が作るしかないのかな。


このカメラ、いじるまで知らなかったのですが、レンズを外さないとフィルムが入れられない構造になってるんですね。
バヨネットの与圧で、レンズ装着部の Oリングを潰してシールしています。


もとはニコンは、こういう偏屈な変わり者カメラも採算度外視で作ってたんですよね。
たとえ儲からなくても、どこかが必ず商品ラインナップに入れておかなければならないものってあるんです。
それはメーカーの意地であり、誇りです。
その意地が社の歴史を作るのだと思います。
切り捨てたらそこで終わりですよ。