EL Nikkor

EL Nikkor 80mm F5.6(古いほう)を購入しました。千円なり。
このレンズ、実はもうすでに二本持っていて、これが三本目です。
なぜだか判らないのですが、80 mm 旧設計の中の張り合わせの玉ってすごく曇りやすくって、しかも曇りが取れないんです。
なるべく光学系をいじらないように三個を足して、二個ができました。一個は完全に部品取りに格下げ。


EL Nikkor(エルニッコール)はニコンの引き伸ばしレンズのことです。
ネガ(もしくはポジ)を印画紙に焼き付けるレンズで、像の平面性を特に重要視するレンズです。
色の出、階調の再現性や解像度なども一長一短があるらしく、好みのメーカーというのがあるらしいのですが、私が引き伸ばしをしていた頃は白黒のラッキーのレンズしか使っていませんでしたので、よくわかりません。
レンズが作る像のところにフィルムもしくはカメラの感光素子を持ってくれば、簡単に写真が撮影できます。
シャープに描写します。メーカー設計マクロレンズに負けないほど解像するものも。
ただし、ボケの起こる状況なぞまったく考えられていないレンズなので、ボケ味は問わないほうがよろしいでしょう。
デジタル時代になって引き伸ばし機はどこのラボでもお役御免なのか、一部の人気レンズを除いてかなり安い値段で取引されています。すでに、すべての EL Nikkor は生産中止になってしまいました*1
それをデジタルカメラに付けるというのは、レンズにとっては敗者復活戦なのか、あるいは屈辱的な不名誉なことなのかはわかりませんが、安くって像が良ければそれでよし。
腕が上がったら描写の優れたレンズに買い換える予定ですが、いつの日になるのやら。


EL Nikkor コレクターになりつつある今日この頃です。
値段が安いのが一番の理由なんですけどね。
時代の流れに取り残されてしまって、安くて使い捨てられてしまうものだけど、じっくり使うと想像以上の実力を発揮するっていうところが、私好みなのかもしれません。
もっとも、光学機器なんてみーんなそんなものですけどね。


*1:一部のものは、産業用レンズとして同設計のものを栃木ニコンが作っているそうです。