うまくいえないけれど、たからものだよ♪

goito-mineral さんが国内ダイアモンドの件に関し、メディアの記事の書き方のなってなさを指摘していましたが、私もジェイキャストの記事を見てつくづくそう思いました。

天然ダイヤモンド発見 「丹念に調べる」と日本各地に

http://www.j-cast.com/2007/09/10011143.html


これはなかなか強引な展開の記事です。
そもそもタイトルが希望的観測を事実のように誤認させてしまっています。
「?」を見出しの最後に付けて欲しいです。
夢があるのはもちろんすばらしいことなんですが、そこで切ると、日本各地にあったかのように読めてしまいます。

ダイヤモンドは、地球深部(120〜150km以深)のマントルの高温・高気圧下で、炭素原子の配列が変化してできる。

コピペではなくオリジナルの文なのでしょう。
気圧は気体の圧力。単位で1万気圧と表現することはあっても、「高気圧下」はおかしいです。
配列が変化すると書くなら、変化前の物質を書かないと。
黒鉛の炭素原子の配列が変化」なら許せます。
「結晶構造」「相」などの学術用語が説明つきで使えるのが理想。

発見が報告された愛媛県のケースは、まさにこのマイクロ・ダイヤモンド。ひょっとすると、まだ各地に埋もれている可能性もある?

「まさに」はサイズだけ。産出する地質は違います。
ダイアモンドの産出で一番重要なのは、高圧条件から相転移を起こさずに地表まで持ってこれるという「地質」です。
また、「鉱山資源」という言葉はおかしく、「鉱物資源」が正しいです。「鉱産物」でも可。
愛媛では、別子鉱山以外の鉱物資源は「無縁」とするのも不勉強。
写真もワルノリでしょう。


「高圧下で安定相を持つダイアモンドが、今回、炭素の相律からひどく外れた産状で、予想もしなかった地質のところから見つかった。しかも日本で。これはこの種の高温高圧下の物質科学に関する学術的研究の発展に対し、大きな布石になるかもしれない」というのが一番の注目すべき点なのではないでしょうか。
私は専門外ですし、講演内容を聴いてないのではっきりはわからないのですが、違っていたらご指摘ください。


新聞社をはじめとするメディアは、不特定多数の人に見せてお金を稼いでるなら、より記事を正確にするために専門人に記事をチェックしてもらうといいでしょう。
ホントですよ。この記事、ツッコミだしたらきり無いですって。