ひさしぶりかも

講演してきました。
発表の持ち時間1時間だったのですが、フルアドリブで、強調したいところを強く、どうでもいいところをはしょって、きっちり60分に収まりました。
この間の招待講演もフルアドリブでしたが、すこしずつインプロバイズに慣れてきた気がします。
音楽で言うと、Key E のブルースをアドリブで弾くとしますよね。12小節1ターンでかわりばんこでやっていると、意思表示を音の並びでするじゃないですか。主題を展開させて駆け上がるフレーズにして「もうちょっとオレに弾かせろ」って意思を見せたり、元の主題に戻して「くたびれたから次お前行けよ」みたいなのがやっとできはじめてきた感じです。
それもわかりづらい例えかな。
まだまだ理想には程遠いので精進します。
持ち時間を守るというのは最低ラインですからね。


質問が多くてビビリました。
しかも的確にツボを付いてきます。
物性屋は物性の、触媒屋は反応場の、材料屋は高分子構造の正しい質問が来て、嬉しかったです。
ああ、これが通常予想される展開なのよね。
質問を受ける立場ですと、質問の内容で研究機関の研究レベルと、異分野に対する情報の取り扱いの姿勢がはっきり読み取れます。
最近は異種格闘技戦に慣れちゃって質疑応答は手を抜いていましたが、久しぶりにきっちりした質問内容で身が引き締まりました。
で、15ぐらい質問が来たのですが、一個だけ一番つっこまれたくない質問がありました。
実験結果をうまく説明するモデルを構築することがどうやってもできず、これはどう考えてもわからないのです。こっちが聞きたいくらいです。
でまあ、開き直って「実験ではこうなるんですが何か?」みたいな逃げにしちゃいました。
実験結果の再現性がある限りこれができます。
実験科学の醍醐味です。
結果が先、理論はあと。


で、その後はやっぱり飲み会です。
相変わらず講演の質問と、今後の研究展開についてをネタに飲んだくれです。
そして、この職場の喫煙者の多いこと多いこと。
分煙?なんですかそれ?」みたいな感じです。
上から順にタバコ吸いなので、タバコを吸わない人はちょっと気の毒。
飲み会の途中から、某社の研究部門の方が混じり、さらに宴たけなわになります。
まだ就業時間中でしょうに、こんなところで飲んでていいの?なんて野暮は言わないほうがよいでしょう。
この人たちとも一緒に仕事をすることになりそうな予感がします。
一人はライカマニア、もう一人は旭光学 SMC 琢磨マニアです。
私は L マウントレンズ(フランジバック長はいずれとして)を多く使いますが、マニアってとことんマニアなのですね。
イカはフォタールと顕微鏡対物レンズしか持ってませんし、琢磨はシングルコートのマクロ50ミリしかありませんが、彼らの財産を貸してくれるそうです。
ズミルックスなんて私の予算じゃ購入不可能ですので、ちょうどよかったです。
で、廃棄ステッパーのレンズについて捜索願を出しておきました。
ウルトラマイクロニッコール28ミリ、網に引っかかってこいよ。


というところで来週から働くことになりました。
早速、結晶構造解析と結晶作りの依頼がきました。
私が入る前にすでに装置管理者に私の名前を書くのはやめてください。
まあ、どうせ私のおもちゃなんですけどね。最初の5年*1は。


心機一転。頑張るぞ。

*1:5年経つと装置にガタが来るので管理放棄したいのが本音