秋山実さん

秋山実さんの文章は、確か中学校ぐらいの時に読んだことがあります。
偏光顕微鏡写真を撮る人です。
結晶の偏光顕微鏡写真をモチーフに、アートやデザインを手がけます。
出典を失念しましたが、確かこんな話でした。
カバーグラスに小さな有機化合物(カフェインなど)をはさんで、ライターで溶かして凝固させたり、あるいはカバーグラスの上に溶液を乗せて蒸発させ、出てきた多結晶薄膜の偏光顕微鏡写真を撮るのです。
偏光顕微鏡写真の干渉色の鮮やかさは厚さに依存し、薄ければ薄いほど鮮やかな色が出ます。
で、結晶方位や厚みが違うと、干渉色の異なったモザイクが出来ますので、これを被写体にするという話でした。
あるいは、液晶の構造に基づく造形を写真に収めるわけです。
立体物じゃないので、顕微鏡が使えるわけです。ちょっとうらやましいです。


http://japan-inter.net/ssp/howto/5_11.html


これとかに、センスが顕われているのだと思います。
http://japan-inter.net/ssp/howto/5_111.html
私は堅物なので、よくわかりません。ごめんなさい。


写真集が何冊か出ています。

ミクロのデザイン―形と色彩の創造

ミクロのデザイン―形と色彩の創造

ミクロ・コスモス―Designs and Patterns

ミクロ・コスモス―Designs and Patterns


ただ、この方はバックグラウンドがアートな方なので、鮮やかな色が出るのはどういうことなのか、結晶学的パラメータや物理的性質と得られた写真との相関については触れていません。
それを望むのは私が化学屋だからなんですが。


TERRA-Sakurai Collection- もそうでしたが、アートな目と科学の目って、少しずれていることが多いのです。
アートな人ですと、造形の美や、色の鮮やかさや、ボケの美しさを取るじゃないですか。
科学な人だと、被写体について知っている科学の情報を写真に取り込もうと努力しますよね。
結晶だったら、結晶系や面指数を表現するようにしますし、鉱物だったら、正確な色や共生鉱物や結晶の特徴ある組織を入れようとするでしょう。
いずれをも包括して両立させるのは難しいのです。


そういえば、最近知人に「オリンパスの偏光顕微鏡のユニバーサルステージが余ってるんだけど、いる?」って声をかけられましたが、モノがよくわからないので断ってしまいました。
貰っておけばよかったです。
最近はあまり使われなくなったそうですが、けっこう高いものらしいです。