プリンティング・ニッコールとカタツムリ

やはり PN95/2.8A の解像と色の再現性にはしびれます。
こいつはヤバイです。マジで。
100mm 近辺のマクロレンズってのは、どれもこれもいい描写をします。
5cm 内外の石を撮るなら、このぐらいの焦点距離が一番きれいに写ります。
シグマの 105/2.8 も際立ってよく写ります。Micro 105/2.8 VR は試してませんが、評判の良いレンズなので、かなりよく写るでしょう。重いらしいけど。
しかし、PN はたぶん別格です。
設計で無限遠を捨て、コストを度外視するというのが、これほどマクロレンズに性能を与えるとは思いませんでした。
一度に二つなんて虫のいい話です。
片方取るなら、もう片方は手放さなければなりません。
大事な掟です。



レンズ横のカタツムリは半化石種で、1000年前までは現役でしたが、絶滅してしまいました。
とても殻の頑丈なマイマイで、家の周りで転がっているものとは比較にならないぐらい剛健です。
PN95/2.8A もエコガラス化*1を余儀なくされ、硝種が変われば屈折率もアッベ数も変わりますから、設計をやり直したようです。輝かしい名前も変わってしまいました。
マイマイはその子孫が今も細々と生き続けています。
PN もまた然り。
たまには光を当ててやりましょう。せっかく生まれてきたのだから。

*1:トリウム、鉛、ヒ素アンチモンおよびスズなどの環境に有害な重金属を含むガラスを設計から除外すること。鉛はフリントガラスにとっては屈折率とアッベ数をコントロールする有用な元素の一つなので、鉛を抜くというのは光学ガラスメーカーにとってはかなり大変なようです。ヒ素はガラスの整澄剤として用いられます。ランタンをはじめとする希土類はいいのかね?