シネ。氏ねじゃなく CINE

接写でひたすら撮影倍率を追い求めると、短焦点レンズの模索になります。
まず 50mm、次は 35mm、次は 28mm という感じになり、25mm、12.5mm とどんどん焦点距離が短くなります。
これ以上短くなると、顕微鏡レンズになってしまいます。
それか、Cマウントカメラの広角レンズなのですが、Cマウントビデオレンズは光学性能がそれほどよくないため、がっくりすることが多いのです。
ペンタックスは比較的写りが良いです。
同じ Cマウントでも、昔々のシネカメラのレンズのリバースの方がよっぽどマシだったりします。
お勧めは cine nikkor で、これはそこそこの描写をします。
ただし、RMS マウントの接写専用レンズほどではありません。
私がよく使うのは、Cine Nikkor 10mm F1.9 です。
古いレンズですが、これでも10枚玉です。ダブルガウスの前に、画角を増やすために凹凸凹凸のレンズを足したような構成です。

嬉しいのは、なぜかシネニッコール 10mm リバースはワーキングディスタンスが大きく取れ、なんと PB-4 でショートベローズをべろべろに伸ばして最高倍率にしても 14mm もあるのです!*1


ただ、像のコントラストがちょっと低く、カリッとしたピントが来ません。
フードなどでハレ切りを検討してみたりしたのですが、コントラストはあまり変化なしでした。
これはまあ、しょうがないかな。
古いレンズですし、想定内の使用法じゃありませんしね。
広角レンズで、近距離物体に対する補正がよく効いているものは、リバースにしても高い解像度を示すことが多いです。典型は Nikkor 28mm F2 です。シネはそこまで設計がいってません。


こんな昭和三十年代の古玉でも、ちゃんと諭吉さんのホログラムモザイクが分離できます。
ワーキングディスタンスが大きいので、光源の自由度が高く、ホログラムの色をいろいろ変化させられるのがいいですね。

なお、これで撮影幅 0.71x1.06mm、倍率ですと 22 倍になります。
ディスプレイ上で 20 cm になっているとすれば、ディスプレイ上での倍率は 200 倍です。
この倍率では PB-4 もグニャグニャ。柔軟なベローズだと思えてきます。
ネジでカメラを固定すると、視野がずれてしまいます。きっちりカメラ位置、レンズ位置を定めた後、試料をマイクロメートル単位で xyz 方向に動かします。
ヤワなベローズでは使い物にならないでしょう。


解像度はやはり低いです。数日前の諭吉ホログラムに比べると、シャープさがかなり低いのがおわかりいただけるかと思います。
カリッカリピントを求める人にはお勧めできません。

*1:これは、前面(リバースでは像の近く)に来ている凹レンズのために、レトロフォーカスのようになっているためかもしれませんが未確定。