簡単にして必要不可欠なレンズフード

書類書きにうんざりしたので、2時間ほどレンズフードを改良していました。
何のことはない、レンズキャップ(ボディ側)に穴を開けただけのものなんですけど。
instant lens-hood for reversed lens
上の写真の手前真ん中のものです。
レンズリバースの場合、これがあるとなしとでは、迷光の量がまったく違います。
たとえば、これは Nikkor 28mm をリバースにして撮影したものなのですが、光源および撮影範囲外の光がレンズ内のコバなどで乱反射して、ここまでコントラストが下がります。
without hood


これにレンズキャップに穴を開けた簡易フードを付けると、ここまでコントラストが上がります。露出時間、絞りなどはまったく同じです。
with hood


その差は歴然。これが無いとコントラストは上がりません。
絞っているわけではありませんので、被写界深度はまったく変わりません。
レンズ面を通る光に関しては、スネルの法則を考えてみてもわかるように、前から光が入射しても、後ろからでもまったく変わりありません。
ですが、レンズをはみ出してしまう光はまったく違います。
それらは、レンズ鏡筒の金属部分や、レンズコバに当たり、散乱光としてコントラストを下げます。
要するに、リバースマウントはほとんどのレンズでは「想定外」なのです。
たとえ黒塗りにしてあっても、やはり何%かは反射してしまうのです。
それを防ぐためのものです。
レンズリバースによるマクロ撮影には、これがすごく威力を発揮します。


作り方は簡単にキャップに穴を開けるだけなのですが、キャップの中心に正確にあけるのと、ここで光を絞らないように直径を注意します。
私はめったに f = 5.6 以上は開けませんので、直径1cmの穴で大体用が足ります。


もっと小さなレンズの場合は、レンズにあった黒紙で簡易フードを作ります。
めんどくさい場合は、両面の幅広ベルクロでレンズをくるっと覆って、偽フードにします。


なお、上の写真の後ろ側左は Canon FD 35mm です。FD のスピゴットはこれが無いと絞りが言うことききません。
手前左は、ついでに書きますが、Zeiss の古い顕微鏡レンズケースです。この中にはアルミでできた RMS メスのリングが入っていて、これを抜き出して適当なマウントにエポキシ接着剤で接着すれば、簡単に RMS マウントアダプターができます。
見た感じ、Zeiss が一番よく出来ていて、ニコンやライツはプラスチックでしょぼいので、Zeiss の古い顕微鏡レンズケースがあったら、確保しておきましょう。
右奥は一緒に製作したニコン顕微鏡マウント用のアダプターです。これもレンズケースから作ってます。


以上、ローテクでしょぼくて貧乏臭いけど絶大な効果がある Tips でした。