陸前高田市:玉山金山遺跡を活用 観光目玉に−−協議会設立 /岩手

http://mainichi.jp/area/iwate/news/20080328ddlk03010007000c.html

陸前高田市は27日、平泉の黄金文化を支えたとされる市内の玉山金山遺跡について歴史的な検証を行って整備する遺跡活用推進協議会(上部修一会長)を設立した。平泉の文化遺産ユネスコ世界文化遺産登録に併せ、新たな観光の目玉として売り出していく。


 同遺跡はJR高田駅から北へ約7キロ。同市竹駒町上壺の高原約600ヘクタールに広がる。ここで採取された金は奈良東大寺の大仏鋳造に使われたのをはじめ、平泉藤原三代の栄華を支えた。明治に入ってからも政府が日露戦争の戦費を欧米から調達する際、担保に入れたともいわれ、戦後も細々ながら採掘が続けられた。現在は危険防止のため複数の坑口がふさがれている。


 協議会は地元の竹駒地区コミュニティ推進協議会や一帯の土地を所有する竹駒牧野採草地農協、郷土史家らで構成。鉱石を砕く道具の石臼や昔の金山絵図など資料の収集を行い、戦後民間業者の開発で荒れた遺跡の整備を進める。そのうえで市の入浴・宿泊施設「霊泉玉之湯」や9月の玉山金山祭りなどとも連携した観光開発を推進する。


 市役所庁舎内に文献の整理ができる作業室を設置し、9月ごろまでにはガイドブックを作成。将来的には資料館建設も目指す。


 中里長門市長はあいさつで「協議会に地域の方々も参加していただき、ありがたい。県も支援してくれるので郷土の貴重な歴史遺産を観光などの地域振興につなげていきたい」と強調した。


玉山が掘れなくなる日もそう遠くはなさそうです。