オレンジ色の水晶

ブラジル産の水晶で、鉄系の不純物(水酸化鉄か酸化鉄のコロイド)が入っているために、オレンジ色を示すものです。
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タンジェリンクオーツとか、ララニンジャとか言う名前で呼ばれていました。
この水晶、その道では有名なセンセーに「これは(人工)着色でしょう」と言われたんだそうです。
ブラジルに買い付けに行った業者さんがプンプン怒ってました。
彼らは、実際に水晶の鉱山まで行っているんだそうです。


これが柱面を横から見た写真です。
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ちょっとわかりづらいんですが、表面の一皮下に赤色の濃い層があります。
こういう風に、水晶の内部まで着色するのは大変なのです。
水晶における Si-O の結合の三次元網目って非常に強固で、単結晶の中まで染められないんです。
中国なんかですと、ガサガサの水晶群晶の上に別の着色水晶を育てているらしいんですが、雰囲気でピンときます。
裏見ればイッパツです。


このブラジルのオレンジ色の水晶は、天然の色だろうと思ってます。
水熱合成のオートクレーブで着色するのは手間ですし、こういう風に面を選んでホンノリと染まりづらいですしね。