スズメバチ駆除の有名教諭、自宅野放し飼育…近所から苦情も

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081108-OYT1T00328.htm?from=main3


微妙なニュースです。
スズメバチは、侵入者を威圧警戒する行動半径がほかのハチより広く*1、刺したときの毒の量が多くショックも強い(しばしばアナフィラキシーショックによりヒトですら死に至る)ので、よその巣を家に運んできて自宅で飼育するのは、近所からの反感を買うかもしれません。
すべて完全排除すればいいってものでもありませんが、わざわざ引っ張ってくるものでもないのではないかと。
毒蛇飼育との違いは、ハチは室外に出なければ巣が作れないことです*2
ナウシカが地下室で腐海の植物群を育ててた状況とはちょっと違うのです。
ミツバチ飼育とも別です。アレは家畜扱いですので、もっと厳しい防疫管理要請があります。


スズメバチ先生みたいな先生は貴重なんですよ。
面白いけど変わり者、みたいな。
多くの生徒が薫陶を受け、理学を志す後続を作り出すのは、こういう、おおらかでちょっと変わっていてニュースに出たりする先生だったりします*3
ファインマンがいい例です*4
少なくとも、水からの伝言」を生徒に読み聞かせようとする先生より、スズメバチ先生の方がよっぽど面白い話を語ると思いますけどね。
これだけ飼っていればある程度の危険性もあるにもかかわらず、生きているってことは、(体質もあるんですが)スズメバチと共生していく術を知っているってことですから。
生徒は、スズメバチ先生の語る、興味深くてヤバイ匂いがして、かつ実体験にあふれたバカバカしくてためになる話に大喜びすると思います。


というわけで、あまり悪口は書かずにちょこっとだけエールを送ってみます。
おそらくスズメバチ先生とはおいしいお酒が飲めるでしょう。
この人しか知らないようなハチの面白い話がいっぱい聞けそうな気がしますね*5


なお、スズメバチが減れば当然アシナガバチが増えることを付け足しておきます。

*1:巣から数十メートル離れていても通行人をカチカチ警戒してくる。困り者。

*2:もしこれがダメっていう話でしたら、玉大町田キャンパスでやっているハチの研究にもストップがかかりますよね。

*3:何で地理の先生なんだろ?

*4:エッセイを読めばわかりますが、あれ、身の回りにいたら絶対変人扱いされますって

*5:ひとつ気になるのは、先生の家で育った女王バチが越冬し、次の年にどこかで巣を作り、駆除の対象になる可能性があるってことなんです。飯のタネ作りだよケシカラン、って行政に言われ、次の年から仕事が回ってこなくなる構図を予想。先生の家で育った女王バチの数なんてたかが知れているんで、これは言いがかりに近いんですけどね。