水晶の双晶

ハンスの Acta 誌の双晶の論文をひっぱってきました。
ふむふむ。こうとらえるべきか、と面白く読みました。
欲を言えば、原子配列まで言及して欲しかったです。
例えば、日本式では右−右、もしくは左−左の組み合わせが右−左の組み合わせより卓越する傾向がありますが、格子のベクトルからではこれはまったく説明できないからです。
およそ水晶の接触双晶においてベクトル的なお絵かきにより説明がなされていますが、Frondel 後の再定義としてはこれで充分ですね。いかにも結晶屋さんらしい考え方です。


特殊性から見ると、Japanese はザクII, Reichenstein-Grieserntal (Esterel) はグフですね、ジオングは Sardinian。
Zinnwald (10-10)II(10-11) すら生ぬるい、と。
とりあえず Tiflis と Zyndel-A は欲しいです。
日本だとどこで出やすいでしょうか。


やっぱり、日本人なら日本式ですよ。
Quartz (Japanese-law twinning)
この名前を付けてくれたゴールドシュミットには感謝。


天然の双晶を種結晶にして、各双晶を水熱合成で育て、これをもう一回切り刻んで種結晶にして再成長させれば、量産型水晶双晶の人工結晶標本ができますね。
Esterel, Samshvildo, Sardinian, Tiflis, Zyndel-A, Japanese, Zinnwald, Seedorf II, Disentis, Japanese-triplet (60, 120, 180 deg.), Esterel triplet (60, 120, 180 deg.) のセットを作ったら、面白そうです。
こんなマニアな水晶の標本は誰も欲しがらないか。