アセトニトリル供給不安

未曾有の景気悪化で、自動車関連産業が恐ろしいほどの減産体制に入っており、そのあおりを結構喰らっています。
ひどいのはアセトニトリル(アセニト)です。
この汎用溶媒はアンモ酸化でプロピレンアンモニアからアクリロニトリルを作るときの副生成物で少量出てくるのを精製して市場供給されているのですが、自動車産業が衰退すると自動的に ABS の消費量が減り、そのためにアクリロニトリル製造メーカーが減産し、副生成物であるアセトニトリルも減産になります。
しかし、アセトニトリルの需要はそれなりにあります。そのための供給不安だそうです。
わずか数パーセントの副生成物であるアセトニトリルのために、余剰気味であるアクリロニトリル製造プラントを動かすはずもなく、在庫はどんどん減ってます。
某メーカーさんは倉庫ストック分が出払ったら終わりだそうで。


この日記の読者は大学関係者が多いのでそういうところは大打撃を受けるとは思われませんが、逆相液クロとかでアセニトを湯水のように使っている研究室は、そろそろストックをはじめたほうがいいかもしれませんよ。値段も上がるでしょう。