ひとつぶじゅうまんえん!
X線回折計メーカーである R 社に装置のメンテナンスとビーム調整を頼みました。
で、装置納入時に標準試料で付いてくるシチジン結晶で最終セッティングを見るのですが、技術の人は「シチジンの結晶が付いてない!」って言うんです。
見ると確かに、先端を細くしたガラス棒の先に、シチジンの結晶 (0.5mm 角ぐらい)が付いてないんですね。
あれって、結晶を接着剤でくっ付けているだけなので、結晶と接着面の境で外れちゃうんです。
私「そんなの R (社)にいっぱいあるでしょ?わけて送ってよ」
R 社技術「ちょっと待ってください。あれは売り物の受注生産品で、注文されても納期が3ヶ月ぐらいかかります!」
私「(゚Д゚)ハア? シチジン結晶が?注文してもそんなたいした値段じゃないでしょ?」
R 社技術「セットで10万円ぐらいですね」
私「ちょwwwwwおまwwwwwイミフwwwwwwwwどこまでボルわけwwwwwww」
聞いてみると、あれは R 社が装置の性能保証をするためのシチジンの単結晶なんだそうで。
それがないとメンテナンスの最終結果がでません。
私「シチジンの結晶ぐらいどこかの部屋に転がってるから、それじゃダメ?」
R 社技術「ダメです」
私「オレが再結晶したのでも、ダメ?」
R 社技術「ダメです」
私「ちょっと待って。R 社が結晶化させたシチジンと、オレが結晶化させたシチジンと、どこが違うわけ?結晶水が入っているわけじゃあるまいし」
部屋を回って探してみると、R 社の結晶構造解析セミナーでサンプリング練習用にチップマウントしたシチジンがありました。
私「これ、R 社のセミナーで配ったシチジンの単結晶なんだけど、これならどう?」
R 社技術「ダメです。測定はしますけど」
聞いてみると、あの標準シチジン単結晶って、結晶成長させていいものを切り出して(シチジンは針状結晶ですから)、回折実験して格子定数を保証されている結晶なんだそうです。
うぇー。
「ちょwwwwwおまwwwww」って言いたいのは向こうのほうだったのね。
しかし同じだろ。
これに限らず、納入時付属の標準サンプルって買うと異常に高いので、大事にしましょう。
B社の NMR の lineshape とか sensitivity のサンプルだって、買うと7諭吉します。
あれはきっちり脱気してあって、緩和時間測定ができる用のサンプルですから。
それにしても高いぞ。