下駄

記念日って、これです。
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総走行距離 200000 km に達しました。ドラム缶百本分です。


トヨタの良心」と呼称されるこの頑丈な車、工芸ガラス作家の方から10万キロ走行のところで譲り受けました。
重心が高く、車の挙動を読むのが難しく、大変乗りづらく乗り心地の悪い車なんですが、頑強なことこの上なく、油脂さえ交換すればとりあえず走ります。
調子を悪くしたのは、冷却コアの水漏れが一回、パワーウィンドウのギア摩耗が一回。そのくらいです。
あとは自分の失敗ばかりです。バッテリー上げて押しがけしたりとか。走行中にタイヤが外れたとか。
重いハシゴのフレームを積み、使っている鉄板もこの上なく厚く、軽量化のケの字も想定されていません。
一言でいえば「走破性が高く、丈夫」。これしか表現のしようがありません。
そのためか、このシリーズは発展途上国で人気が高く、中古車市場も値が落ちないようです。
この車もくたびれているところは多いのですが、まだまだ元気。
やっとエンジンの当たりがとれた走行距離です。


私にとっては特別な車なのです。信頼性がなければ山に車で行けません。耐久性がなければ信頼を積む時間ができません。
雪道で突っ込んだ車を引っぱり出したり、迷子の人を乗せたり、私の気まぐれにもきちんと対応してくれる相棒なんです。
深山を何時間もさまよい歩いて、やっとの思いでこの赤い車にたどり着いたときの安堵感といったら。
「ずんがずんが」とどこまでも歩いて行けそうなビブラムソールのような、頼もしい下駄。
ぶっこわれて再起不能になるまで乗ります。