少年よ、煉瓦を高く上げよ
この少年が板を渡るのを見て思い出しましたが、現場はこういうのたまにあります。
生コンクリートを地べたに張って基礎を作る際、ミキサー車より低いところだと容易に流し出せますが、高くて狭い場所では流せません。
その場合、一輪車(ネコ)を使って生コンを運びます。
高いところまで、幅20cmあるかないかの板(ネコ板)を何枚かつないで掛けて、一輪車になみなみコンクリを入れて、これを押しながら助走を付けて急傾斜のネコ板を一気に駆け上がります。
途中で力つきると一輪車ですから横に倒れ、生コンこぼしてひどい目に遭います。
踏み外すことを恐れる臆病者はこれでひっくり返します。
ネコ板はグニャグニャにしなるし幅は狭いし、一輪車は重いし、勢いがないと上まで上がらないし。
バランス感覚や腕力もさることながら、思い切りの良さがないとできません。かなり捨て身度高し。
まさにタイトロープ。
私は一回目はおそるおそるやって上まで駆け上がることができず板から落ち、生コンをぶちまけました。
二回目は今度は勢いよく助走を付けたら頭の上の出っ張りにしたたか頭をぶつけ、やはりぶちまけました。
「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」という気分で、やっとできるようになったのは三回目から。
そんな私ですが、今でもロングニッカを愛し、頭にタオルを巻いて、石頭*1にウシゴロシの長柄を刺し、道無き山をうろついているのです。