偶感Z

本当に大事なことは、目には見えず、数もそう多くない。
あちらを立てたらこちらが立たない。
二つを追いかけたら、両方とも拾えないさ。
最終的には、自分の中にしかない。そしてそれは大いに主観的で、幻想のようなもの。


だから、人は固い地面に、自分の生きた証を刻むのだろうか。
その欲もなくなると、なんとなく、「誰に褒められるわけでなくても、人の役に立ちたい」と思い始める。
でもそれも蜃気楼のようなもので。


それでよろしい。
一個人はそれほどたいした存在ではない。
でも、塵芥よりは少しましかもしれない。