辰砂の左右

辰砂(しんしゃ、cinnabar)は天然の硫化水銀で、朱肉などの顔料や、水銀の主要鉱石となる赤い色の鉱物なんですが、面白いことにこいつには鏡像性があります。
中に並んでいる硫化水銀の原子配列が、3回らせん軸を取っているんですが、らせんに左右があって、右らせんのと左らせんのがあります。
水晶のケースと同じです。
http://d.hatena.ne.jp/doublet/20090517#p3


で、武さんとしばらくその話をしていたんですが、やっと見つけましたよ。
今、PCが逝っているのでまともな写真が撮れないんですが、放り投げておきます。


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左右を決定できる面は、二種あります。
中の原子の配列の絶対配置を見ないとキラリティってのは判定できないんですが、とりあえず前の写真の結晶を M、後の結晶のキラリティを P としておきます。
前者が左辰砂、後者が右辰砂です。
オレがそう決めた!
キラリティってのは基本的にそういうものです。



次の写真は、二つの結晶の立ち居姿です。さあどっちがどっち?
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