出張撮影に行ってきた

今回も先生のご好意に大いに甘えて、博物館で石の写真を4時間ほど撮影。
10個ほどしか撮影できなかった。無念。
やっぱりこんなもんだよな。撮影のペースは。


水晶の日本式双晶@乙女鉱山(両翼9.0cm)
日本を代表する鉱物。
明治期、乙女坂鉱山・倉沢鉱山(現乙女鉱山)、奈留島長崎県)の水晶の双晶を、ゴールドシュミットが「日本式」と名づけたんだそうで。
フランス人は、「ウチのが早い」って言ってるみたいだけど。
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東京大学総合研究博物館
Nikon Micro Nikkor 60mmF2.8G ED/Nikon D3


これは、話はよく聞くけど、現物をめったに見かけないもの。
黄鉄鉱の貫入双晶@阿仁鉱山(2.5cm)
黄鉄鉱の貫入双晶は、Glossary of mineral species にも使われるぐらい知名度があるけど、ごく稀にしか採集できない。
日本では古典産地が阿仁のもので、図はよく見る。が、標本はほとんど実在しない。
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東京大学総合研究博物館
Nikon Micro Nikkor 60mmF2.8G ED/Nikon D3


万次郎鉱@川井鉱山(3.7cm)
クリプトメレンのカリウムをナトリウムに置換した日本の新鉱物。
クリプトメレンは、酸化マンガンでできたゼオライトのようなもので、チューブ状の一次元のチャネル(空孔)があり、ここに陽イオンがいろいろ入る。
カリウムが入ったのがクリプトメレンで、岩手県のいくつかの鉱山で発見されたものは、ナトリウムのモル比の方がカリウムのそれより大きく、新鉱物となった。
オレの敬愛してやまない渡辺万次郎先生の名前が付けられている。
南部先生が退官されたのでばらしちゃうけど、IMA申請の際に、命名で一人が「成分に基づいた命名のほうがいいんじゃないか」とコメントを付けられたりもしたのだけれど。
タイプ産地はナトリウムの一番置換していた小晴鉱山になった。
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東京大学総合研究博物館
Nikon Micro Nikkor 60mmF2.8G ED/Nikon D3


今回も多くの方々、博物館にお世話になりました。ありがとうございました。