金瓜石鉱山の硫砒銅鉱
これもまた、ワールドクラスなんじゃないかと思える良標本。
台湾、金瓜石鉱山の硫砒銅鉱。
台湾は、かつて日本が統治した歴史 (1895-1945) があり、日本の鉱物コレクターにもここの硫砒銅鉱と明礬石は馴染み深い。
金瓜石鉱山は、藤田組がかつて開発していた、「東洋でもっとも大きい」と呼ばれた台北の金山だ。
現在は観光鉱山化しているらしいが、garimpo さんは砂金掘りをしているそうで。
硫砒銅鉱 (enargite) Cu3AsS4, orth., Pnm21
台湾台北州基隆郡 金瓜石鉱山
東京大学総合研究博物館蔵
標本長: 6.5 cm
Nikon Zoom Micro Nikkor 70-180mm/Nikon D3
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硫砒銅鉱は、Cu3AsS4 の組成を持つ、銅とヒ素の硫化鉱物。
日本ではあまり大きな鉱床を作ることは無いが、海外では多産することがあり、立派な銅鉱石鉱物として扱われる。
日本の古典産地は、無く子も黙る北海道の手稲鉱山、山梨の増富鉱山。
奥戸鉱山(青森)のものは1cm前後だが今でも採れる。
この鉱物の現在の世界的産地はペルーではあるものの、歴史的にはオレは金瓜石が世界トップだと思っている。
1900年前後に、金瓜石で硫砒銅鉱の大鉱床が発見され、あわてて銅山として開発した。おそらくその頃に出たベストの結晶だと思う。
こんなでかい結晶、見たことない。
目の保養にいいと思う。