輝沸石-Ca
父島の鉱物の代表といえば、これです。輝沸石。
歴史的には、1700年代に黒船が小笠原諸島に立ち寄ったときに、黄鉄鉱を見出しそれを学術雑誌に報告したのが日本の鉱物が世界に紹介された初めての例だとされているんですが、明治期に国内の学者の耳目を集めたのは、父島の巨大輝沸石でした。
大きいんですよここのは。3cmぐらいある結晶があります。
写真のはもうちょっと小さくて、無人岩の空隙のなかの集合体です。
うまく外形が出ませんね。厚板です。
FoV = 2.0 cm, Nikon Macro Nikkor 65mm (ap. = 3)
厚い菱形の結晶で、この菱形の面(現在の軸立てでは b 面)に完璧なへき開があり、これがキラキラ光って、とてもキレイに輝きます。
沸石類は、構造的にはアルミを含んだケイ酸塩で、このアルミノシリケートのカゴが一つ一つ特徴のあるケージを構成し、中に分子やイオンが出たり入ったりします。
これが沸石の持つ最も有用な特徴の「イオン交換能」に結びつきます。
輝沸石も、大きなケージがあります。今回のはカルシウムが中に入ってます。
http://www.iza-online.org/natural/Datasheets/Heulandite/heulandite.htm