国立科学博物館つくば分室

科博のつくばの分室にお邪魔して、2日間撮影してきました。
新宿から引っ越してきたばかりで、まだ梱包も完全に解かれていないのですが、とにかく質量ともに恐ろしい標本群です。
日本の記載鉱物学の総本山です。
この部屋一部屋に、移動式の標本棚が入ってます。ここに収まるのは、岩石および鉱物ですが、鉱物の方が多そうです。
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かなりぎっしり詰まってますが、あと数十年は標本を増やせるゆとりがあります。
地震対策もバッチリ。
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この棚あたりは、櫻井標本です。
櫻井標本室の木の棚がそのまま来ています。
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管理は台帳方式。歴史を感じますが、一番確実です。
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いくつかお披露目。ここでないと見られないものを。


綱木の紫水晶。明治期に地元の老人が拾ってきて、産地を人に伝える前に鬼籍入りしてしまったといわれる伝説の標本です。
表面はやや晒されてますが、内部は濃い紫で透明の美しいものです。
骸晶や松茸っぽくもなっているもので、おそらくペグマタイトでできた紫水晶晶洞が崩落して土砂に埋まり、これを拾ったものでしょう。
錐面に二つくっついているサイコロ状の結晶は、黄鉄鉱の六面体結晶が分解してできた「武石」です。
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紫水晶(quartz, var. amethyst), SiO2, trig., P3121.
新潟県東蒲原郡阿賀町綱木
国立科学博物館蔵(櫻井鉱物標本).標本番号:NSM-M34817
高さ : 8 cm


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雨塚山紫水晶の巨大群晶。さしわたし50cmあり、びっしりと3−4cmの鮮やかな紫水晶がくっついています。
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数十年の埃をかぶり、指で拭くと紫水晶の濃い色が見えますが、そうしないとわかりませんね。
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今回も、ご関係者の方々にお世話になりました。
どうもありがとうございました。