車骨鉱

車骨鉱は鉛と銅とアンチモンの硫塩鉱物で、アンチモンを含む硫化鉱床に時たま見られます。
日本でもちらほらと産出はあったのですが、だいたいの場合は鉱山操業時に限られ(貯鉱から出てきたというのはありましたが)、日本では倉谷と秩父の産出がよく知られています。
特に、秩父の車骨鉱は有名で、そこそこに数が残っており、ブランド標本の一つといえます。
(110) を接触面とする繰り返しの双晶をなし、独特の歯車のような結晶形から、「シャコツ」という名で愛される、通好みの鉱物のひとつであります。


で、車骨鉱をある方からご好意によりお借りしました。→貰っちゃいました。
誠にありがとうございます。
1958年に、日窒の鉱夫から譲り受けたものだそうです。
最初は、「ホントにシャコツかなー?」とか思ってたんですが、包みを開けてけっこうびっくりしました。
これです。
bournonite1


bournonite2
車骨鉱(bournonite), CuPbSbS3, orth., Pnm21.
埼玉県秩父市中津川 秩父鉱山
個人蔵→オレ蔵
幅 : 5.5 cm


美しい束。黄鉄鉱を基質とする硫化鉱の板に、キレイに結晶が理想的に載っています。
しかもど真ん中に載っていて、美麗なこということなし。
標本サイズはハンドスペシーメン。小振りですが結晶とのバランスがとてもいいです。
ダメージもほとんど無く、くすんでいません。
まさに一級標本。
この束っぷりは、秩父鉱山六助鉱床のっぽいですねー。


さて、特級標本ですとこうなります。
櫻井標本の車骨鉱のうち、中型標本です。こちらは秩父鉱山大黒鉱床の。
マンガン鉱をかぶった硫化鉱の板に、光輝あふれる1−1.5cmの結晶が、バラバラと載っています。
bournonite3
車骨鉱(bournonite), CuPbSbS3, orth., Pnm21.
埼玉県秩父市中津川 秩父鉱山大黒鉱床
国立科学博物館蔵(櫻井鉱物標本).標本番号:NSM-M31611
幅 : 14.2 cm


bournonite4


すごすぎる・・・・。