アラバンド鉱

ウチュクチャクアの石です。こんな立派な結晶になるのね!


成分は硫化マンガン (MnS) の鉱物です。
マンガンと硫黄はそれほど相性が良くなくはないのですが、マンガンと酸素の相性の良さには勝てず、比較的珍しい鉱物です。
日本ですと、萩平鉱山(群馬県)のものが代表です。続原色鉱石図鑑にも萩平の標本が載ってましたね。
結晶構造では、硫化マンガンは相が3つあり、NaCl型、閃亜鉛鉱型、ウルツ鉱型なのですが、アラバンド鉱は閃亜鉛鉱型になります。
立方晶で、八面体結晶。この標本にも真ん中に二つ見えますが、(111) を双晶面としたスピネル式双晶をつくります。
alabandite_2
Uchucchacua Mine, Oyon Province, Lima Department, Peru. 3.2 cm long