結晶構造解析における space group 選定の裏技

「解けねー」って話があったので、この場でコメント。
もちろんまじめに International Table A で出現則を読むんだけど、悩んだときは、選択肢の中から出現頻度の高い space group から解くと早い。
Acta Cryst. A にちょっと古いが Cambridge の統計がある。
AC., A46, 725-730 (1990).
代表的な5つの space group で81%が解けるとある。
上位10位(これは解析するなら覚えた方がよい。いや、覚えろ)。
P21/c, P-1, P212121, C2/c, P21, Pbca, Pna21, Pnma, P1, Cc
もちろんP21/cは #14 の3つすべて。つまりP21/cP21/n, P21/a の3つ。
そうちょくちょくと珍しいのは出てこないもんだ。
それと、Richard E. Marsh は人のデータのあら探しをまだしているので、Cc は気を付けた方がよい。
CcPc なんて、200個に一個ぐらいの頻度だぞ。


そう考えると、SiO2 がいかにレアな space group かがわかる。
まあ、あれは無機ポリマーなんで、ちょっと系が違うんだけどさ。
手稲石なんかがごく当たり前の対称性しか取ってないのに対して。


しかし、群の表記はつらい。タグがね・・・。