IMA による鉱物名の承認

いまひとつどういうことをするのかピンと来なかったので、教えてもらった。すべて謎が解決。感謝感激。
それで、某鉱物の IMA での審査結果の書類をコピーさせてもらった。
実際の書類を見て、新鉱物命名の責任とめんどくささがわかった。
ちょっと古いんだけど、ある鉱物*1のカチオン置換体の新鉱物認定に関する投票で、20人ぐらいの各国の委員が投票した結果の通達だ。
誰がどう見ても新鉱物なのだが、一つだけ投票で難癖がついて、「わざわざ新しい名前を付けずに、置換体なのだから置換命名法で命名したらどうだ」というクレーム。
ただし、残りの投票は問題がなかったので、命名が認められたというケース。
変な名前を付けると、ここで蹴られるというシステムになっている。



あー。こりゃ厳しそうだ。論文審査より人数が多い。
scientific な話だけではないというのもやっかい。
この網をかいくぐるには、新鉱物の分子構造などを先に Acta Cryst. 誌などに論文に出してしまい、そのときに適当に「化合物としての慣用名」を命名して、後でIMAに 「この化学種はこういう名前があるのだから」と詭弁を弄するしかない。
よっぽどヘンテコな構造の、有機鉱物じゃないと難しいかな。
やっぱり「申請より先に論文を出すな」って言われるのが火を見るより明らか。
企画倒れだな。

*1:この鉱物は、立派な先生の名前をいただいて、日本の新鉱物の一つとして知られている。