センセイ

「先生」という敬称がある。
この言葉を使うのはあまり好きではない。
呼ばれるのは大嫌いだ。体がむずがゆくなる。


中学校時代、教師に「○○先生と呼べ」と強要されたことがある。その人にはそれ以来、名前を呼びかけたことはなかった。声もかけなかったのだが。
高校時代は、どんな教師にも「さん」付けで通した。人に何と言われようと通し抜いた。


敬意を込めて使うことはある。恩師とか。
仲が良くなると、あまり使わなくなる。
「さん」の方が気持ちがいいし、使いやすい。
初対面に近い人は相手の出方がわからないので、とりあえず「先生」づけすることにしている。
古い頭の人だと、「先生」づけしないとムッとする人がたまにいるので。
怒らないまでも、あとで「アイツは世間知らずなヤツだ」と評価されていたと別の人から聞かされることも。
世の一般ジョーシキでは、封筒の宛名などだと、研究者や教育者には「先生」って付けないと、すごく無礼なことだとされている。
なんだそりゃ、という感じ。
でも、相手を怒らせてもいいことが一つも無いので、とりあえずそうしている*1
たまに、オレのように「頼むから先生って呼ばないでくれ」と懇願する人がいて、そういう人に郵便物を送るときは「さん」付けにしている。


最近は教育者でも政治家でも「先生」という敬称は止めようという運動があるようだ。
しかし、オレの知る範囲ではまったく定着していない。
これは、怒るタイプの人がいるのが悪い。
そんなに先生と呼ばれることにステイタスを感じるのか、聞いてみたいものだ。
「先生と呼ばれるほど馬鹿は無し」ってね。


某大学のある教授は、学生には「先生」って言われているけど、裏では彼は「あの馬鹿」って呼ばれていた。みんなそう呼んでいた。これにはびっくりした。
指導の論理性のなさを学生に皮肉られているのだろう。
そういう、気持ちのこもっていない「先生」はイヤだ。
距離が近ければいいってというものでもないのだが。


「先生」って呼ばれないとムッとする人は、少し頭を冷やして下さい。もうそういう封建的なやり方はやめましょう。まわりはあなたの実力をよく知っていますよ。

*1:中学生の頃よりは、世渡り上手になったのだろう。