沸石の鉱徴は、鳥の糞に似ている


休みを取り、鉱物採集。
朝から運転100km、沸石の産地に向かう。
この産地は、古くから知られているものの、なぜか情報が乏しい。
古い情報をもとに二時間捜索。雪のたまった沢を歩き、イノシシのヌタ場を越え、ようやく発見した。
20mぐらいの範囲だけ沸石化作用を受けている。
露頭はほとんど叩かれていない。
かなり注意深く露頭を観察しないと、うっかり見過ごしてしまう。
大きくても10cm位の空隙に、各種の沸石類が出ている。
5-8mm程の epistilbite が多数出てきた。
scolecite のゴロンとした玉もでかい。
満足。


山から下りてくると、水晶やトルマリンを売っているお店を見つけた。
冷やかしで入ってみる。
大きな店舗を見てまわるが、ほしいものがない。
産地も書いてなければ、鉱物種も書いてない。大体、想像は付くものばかりだが。
値段もすごく高い。


一階に新潟の地震のチャリティーの古着が山と積んであるので、これを一つ買うことにした。
お店の主人が、コーヒーを入れてくれる。感謝。


主人は、石のパワーが判るという。
主観なので無下に否定も出来ず、ふんふんと聞いてみる。突っ込みの入れられるところは入れてみる。
色々と、鉱物の同定を求められる。
珪孔雀石とか、菫青石とか。コーヒーの分ぐらいは役に立たねば。


帰りに、「お風呂に入れるとマイナスイオンが出る」という石の入った袋(売価2700円)をくれるという。
「そういうものはまったく信じてない」と言ったのだが、ぜひぜひという。
好意なので、断りきれずにもらってしまった。
中身をみると、いろいろ入っている。沸石岩とか、片岩とか、トルマリンとか。
ゲルマニウム鉱石が入っていると書いてあるのだが、どれだかわからない。
少なくとも硫化鉱ではなさそう。


鉱物種もわからず、産地もわからず、相場もわからないのによくこんな商売がやっていけるなあ、というのが正直な感想。