論文博士がなくなる

http://www.kahoku.co.jp/news/2005/04/2005041401000064.htm


とうとう論博がなくなる。
博士号は資格の一種であり、制度が作り出すものだから、所定の手続きを踏まないとダメ、ってことなんだろうな。たてまえでは。
牧野富太郎*1」クラスの学者はもう国内にはあらわれそうもない、と判断したのだろう。


ちょっと前によくあった、課程中退もしくは修士で助手に入り、あとで論博を取り直すというコースは今回の決定により自動的に消滅する。
これからは、オーバードクターや、経済的問題もしくはアカハラに悩む博士課程学生が、「とりあえず大学を離れて、あとで博士号を論博で取り直そう」と緊急避難することは困難になる。
「課程の学生は、血反吐を吐いてでも在学中に学位をもぎとれ」ってこと。
会社員で博士号の欲しい方は、(理解のある会社に勤めていれば)社会人ドクターで入学するのがたった一つのルートになる。


学位の安売りをしろとは言わないが、世知辛いな。

*1:まきのとみたろう。高知出身の植物学者。独学で植物記載と分類で植物学に大きな貢献をした。彼は肩書きでは尋常小学校しか出ていなかったが、博士号を東大から授与されている。