夏はヤブが深くてイヤだ

doublet2005-07-17

深夜ドライブして、採集に行く。


日が明けたので、行動開始。
まず最初は、鉱脈鉱床。銅鉛亜鉛のちっぽけな鉱山。
藪だらけの林道をひた走り、鉱山の大切坑のちょっと下に到着。

沢の中には鉱石が多い。グリーンタフに入った結晶度の高い鉱石。
特に pyrite と sphalerite はきれいな結晶。
chalcopyrite, galena は自形にはならず。
しばらく蜘蛛の巣だらけの沢を上がると、崩落した坑道のそばのズリに出た。
このズリ、pyrite が異常に多い。
(001) の典型的な枡型だが、大きな結晶は4cm近くある。かなりでかい。
粘土化した母岩に含まれ、ころころ転がりだしてくる。
しばらく誰も来ていないようだ。
いくつかポケットに入れて持ち帰る。


県境を越えて、金銀鉱山に向かう。
車から降りて10分のところにズリがある。
よく探していると、真っ黒な鉱石があり、これを割ると低温生成のマンガン鉱物が出てくる。
ここの目的はこれだけ。


道の駅で蕎麦を食べたが、お世辞にもおいしいものではなかった。
次からは道の駅で食事をとるのはやめよう。


次は、今回の最大目的地。
明治期に掘った銅鉱山。
林道を走ること40分、沢の出合に出る。
ここから3km、沢を詰める。
長靴を履き、水量の多い狭い沢を上がる。


ちょっと歩いて気づいた。
この沢、ものすごく歩きづらい。
川原がほとんどなく、ナメの連続。
しかも、しばらく降った雨のせいか、水量がべらぼうに多い。
ごく最近、鉄砲水が出ている形跡がある。
合流する枝沢は、すべて滝になって本流に流れ込んでいる。
地質はやや古い堆積岩。
硬くしまった泥岩のナメのすべることすべること。
地下足袋+ワラジじゃないと上がれない。
それでもなんとかだましだまし滝を高巻きし、格闘する。


川原には水晶を多く含んだ岩が多数転がる。
おそらく上の鉱脈はかなり大きなものだろう。
水晶の粒も大きく、期待ができるのだが、とにかく沢の難易度が高い。
紫水晶の脈が転がっている。たどり着いたら面白そうだ。


1時間歩いたが、1kmも進んでいない。
そのうち、ナメ滝でない普通の滝が多く出てきた。
3mが2段。6m。20mにぶち当たった。
高巻きは不可能。周りは50m近い大絶壁。
シャワークライミングで真横を登攀。
腿まで水につかる。
やはり滑りやすく、かなりひやひやする。
このレベルだと、降りるのは命がけだな。
捨て縄を持ってくればよかった。


20mの滝がもうひとつ出てくる。
こいつは登れない。
しょうがないので、少し戻り、70度近い傾斜の高巻き。
イラクサの藪がすごい。
バンザイしながら木の根にしがみついて50m以上の高巻き。
周囲は見事なブナの原生林。
ふた抱えもある老年ブナが多数立ち、あるいは倒れて朽ちている。



3時間後、行程の半分にも達していないのを確認し、あきらめて下山。
滝を降りるのが死ぬほど怖い。
久しぶりに足ががくがく震える。
それでも怪我することなく、何とか車に到着したのが夕方の6時。


いや、マジでしんどかった。
藪が枯れる晩秋に、泊まり覚悟で山腹を藪漕ぎしないとたどり着けないだろう。
再チャレンジ決定。


疲れたので軽く昼寝して、明日の目的地までドライブ。


夜中にコンビニでコーヒーを買って飲んでいたら、シャコタンのヤンキー兄ちゃんが何台もやってきて、電灯の下のカブトムシを探している。
クワガタ取りかい!?