ほぼ徹夜で車を飛ばして、以前ペグマタイトを探した産地に向かう。
2時間仮眠。
朝、地元の人に起こされる。
この間お世話になった人だった。
もうちょっと眠りたかった。
朝から聞き込み。場所は大体わかった。
しかし、今日は隣の沢にする。


先月の大水で、地形が変わっている。
このあたりの大水は一晩で砂防ダムが土砂でいっぱいになるほどだそうだ。
ペグマタイトに由来する長石と石英の転石が多い。
石川山のものに似ているが、ガマが開くのが違うところ。
2.5mはあるススキの藪を傷だらけになりながら漕ぐ。
クズ、マタタビが絡み合って、鉈で切り開かないと先に進めない。
しかし、30分歩いて挫折。
河原を歩くことにした。
河原に麻が生えている。炭焼きの人が種でも撒いたのだろうか。


沢は雨で増水し、腰まで水に浸かる。
しかし、藪よりはるかにまし。
ペグマタイトの転石を多く含む沢の出合まで到着。
今回は、この沢はここまで。
次回、藪の勢いが衰えたらにしよう。


下まで降りて、昼飯を食べようと思ったら、下草刈りの人と猟師が昼休みしていた。

一緒に混じって、ビールをもらう。
差し出された汁は熊汁。

クマーーーーー。
小熊を3時間煮たとのこと、臭くもないし、硬くもない。
初めて食べたけど、わりといける。
ビールを飲んだら運転できないような気もするが、まあいいや。
いろいろこのあたりのことを教えてもらう。
面白い。
お土産に大腿骨をもらった。


下までおりて、地元の人に聞き込み。
具体的な水晶の産地を教えてもらう。
この間断念した滝を右に巻いて、その上らしい。


また、この間の沢に入る。
一月前あった道が流されている。
藪も前回の比ではない。
鎌で藪漕ぎ。
ミズナが多い。瘤がうまそう。

棒を振り回し、蜘蛛の巣を払いながら沢をあがる。
まず最初に見える20mの滝。
これを右に巻く。周りは60−70度近い傾斜。
腕の力で無理矢理上がるが、足を滑らしたらかなりヤバイ。
しかも、夕立が降ってきた。すごい雨。
雨具を車に置いてきたので、ぐっしょり濡れながら滑りやすい崖を登る。
高巻いて沢に下りたら、もうひとつ20mクラスの滝が出てきた。
しまった。連続しているなら先に教えてくれればよかったのに。
腕をパンパンにして、とにかく崖をよじ登る。

↑高巻きながら撮った写真。この写真の下に大きな滝がある。


滝も通り過ぎたので、そろそろ沢に下りたいが、降りる場所がない。
沢沿いは崖の多いV字の沢。
100mぐらいうろうろして、やっと下りられるところを見つけた。


で、沢で水晶を探す。
まったくみあたらない。
ペグマタイトは見えるのだが、ガマがない。
ペグマタイトはピンク長石、灰色石英、黒雲母、電気石からなり、褐簾石がひとつだけ。
水晶は、2cmぐらいのものがひとつのみ。


がっくし。


またあの思いをして滝を下りるかと思うと、気が滅入ってくる。


滑りやすい崖を木にしがみつきながら、落っこちながら下りる。
沢をとぼとぼ歩き、蟻に手をかじられ、ススキで手を切り、ヌルデを避けながら車まで到着。


気分転換に近くの沢に入り、仏頭状のメノウを拾ってみる。


温泉で汚れを落とし、車で仮眠。
ひたすら深夜ドライブして、次の目的地に向かう。
今日も骨折り損だった。死ななくて良かった。