望遠鏡

「岩波講座 物理の世界7 望遠鏡」を読みました。


岩波講座 物理の世界 ものをも見るとらえる〈7〉望遠鏡―宇宙の観測

岩波講座 物理の世界 ものをも見るとらえる〈7〉望遠鏡―宇宙の観測


↑著者名が間違っています。「海野」ではなく「海部」です。


専門書ではありますが理論にはほとんど触れず、望遠鏡の歴史と観測対象の話が、特にごく最近のものに重きを置いて記述してあります。
とても読みやすい本です。
このタイトルだと幾何光学を予想して敬遠してしまう方もおられるでしょうが、そんなことはありません。対象年齢は高校生以上かな。
だから、「収差」という言葉もほとんど出現しませんし、「カタディオプトリック系」という語句もありません。研磨の技術も無ければトワイマン干渉計の原理もありません。
逆に、理屈がわからないので、欲求不満になる人もいるかもしれません。
その場合は、吉田正太郎の本で理論を勉強してください。


屋久島の星空を思い出しました。
亜熱帯の海辺という条件は、シーイング的にはかなり悪いのですが、肉眼で星空を見るには何の問題もありません。
暗い空に、一面の星、星、星。
天の川が雲と見間違うかの如く真っ白に流れ、絵に描いたような満天の星空でした。
空が暗いと言われる北アや胎内(新潟)、高山(群馬)、大東(岩手)などなど、いろいろな場所で星を眺めてみましたが*1、いちばん思い出に残ったのは屋久島でした。
屋久島はほぼ全島が花崗岩の島で、滅多にペグマタイトの大ガマは開かないそうですが、大ガマが開くとカマスに何杯という単位で水晶が出たらしく、永田のものは関西に大量に送ったという話もあります。
緑柱石もあるんだそうですが、確認していません。
ヒ素タングステン、スズ、金、ビスマスの鉱物、銅の二次鉱物などでも知られています。
時間があったら、端から訪ねたい欲求は強くあります。

*1:いずれの場所にも、鉱物産地があります。いちばん楽しいのは大東ですね。